LINEを活用したマーケティングで成果を上げたいと考えているものの、リッチメニューの設定方法がわからず悩んでいる方は少なくありません。
Lステップのリッチメニューは、LINE公式アカウントの標準機能よりも高度なカスタマイズが可能で、顧客体験の向上やコンバージョン率の改善に大きく貢献する機能です。
Lステップを導入すると、最大20個のボタンを自由に配置できるだけでなく、タブ分けによる情報の整理や、ユーザー属性に応じた出し分けなど、高度な運用が実現します。
- LINEトーク画面下部に常時表示される画像付きメニュー機能
- LINE公式標準の最大6個に対し、最大20個まで自由配置が可能
- スタンダードプラン以上の契約で高度な機能を利用できる
- ユーザー属性や行動履歴に基づいた出し分け表示に対応している
- タブ分け機能により複数のメニュー画面を切り替えて表示できる
- シナリオ配信と連動した自動切り替えやタグ付け機能を搭載
モバイルユーザーインターフェースの研究では、限られた画面サイズの中で情報を効果的に配置し、ユーザーの視覚的注意を適切に誘導することが、モバイルアプリケーションの成功に重要な要素とされています。
この記事では、Lステップのリッチメニューの基本的な仕組みから、画像サイズの仕様、Canvaを使った具体的な作成手順、切り替えや出し分けの設定方法、さらには成果を最大化するための実践的な運用ノウハウまで、初めて取り組む方でも理解できるよう順を追って解説していきます。
- Lステップのリッチメニューとは何か、LINE公式アカウントとの機能的な違い
- リッチメニュー画像の推奨サイズと仕様、デザイン作成時の注意点
- Lステップ管理画面での具体的な設定手順と各種アクションの紐付け方法
- タブ分けや切り替え機能を活用した顧客体験向上の実践方法
- ユーザー属性やタグに基づく出し分け設定の具体的な手順
- クリック率向上とコンバージョン改善のための運用ノウハウ
Lステップのリッチメニューとは?LINE公式アカウントとの違いを解説
リッチメニューは、LINEマーケティングにおいて最も重要な要素の一つです。
トーク画面を開いた瞬間に目に入る固定表示のメニューであることから、ユーザーとの最初の接点として機能し、その後の行動に大きな影響を与えます。
LINE公式アカウントでも基本的なリッチメニューは利用できますが、Lステップを導入することで、その可能性は飛躍的に広がります。
この章では、リッチメニューの基本的な役割から、LINE公式アカウントとLステップの機能差、そしてLステップだからこそ実現できる高度な機能まで、初めての方にもわかりやすく解説していきます。
リッチメニューがなぜ重要なのか、どのような場面で効果を発揮するのかを理解することで、自社のマーケティング戦略における活用イメージが明確になるでしょう。
リッチメニューの基本的な役割と機能
リッチメニューとは、LINEのトーク画面下部に常時表示される画像付きメニュー機能のことを指します。
ユーザーがトークルームを開いた瞬間に目に入る位置に固定表示されるため、メッセージ配信のように流れてしまうことがなく、ユーザーの視界に入りやすいという特徴があります。
リッチメニューは、LINE公式アカウントにおける「顔」とも言える重要なコンテンツです。
トーク画面を開いた際にユーザーが最初に目にする要素であることから、商品ページへの誘導、予約システムへのアクセス、よくある質問の表示、問い合わせ窓口への誘導など、ビジネスにおける主要な導線を集約する役割を果たします。
リッチメニューに配置できるボタンには、それぞれ異なるアクションを設定することが可能です。
たとえば、特定のURLを開く、電話番号に発信する、自動応答メッセージを送信するといった動作を、ユーザーがボタンをタップするだけで実行できるように設定できます。
この機能により、ユーザーは必要な情報や機能にスムーズにアクセスでき、企業側は効率的に顧客対応を自動化することが期待できます。
モバイルアプリケーションのユーザビリティ研究では、情報アーキテクチャ(情報の構成や配置)とユーザーインターフェースデザインが、ユーザー満足度に大きな影響を与える要素であることが指摘されています。
モバイルユーザビリティモデルに関する小規模なレビューを実施した結果、ユーザビリティは通常、有効性、効率性、満足度という3つの属性で測定されることが分かりました。
引用:Springer Nature Link Usability of mobile applications: literature review and rationale for a new usability model
リッチメニューは、この両方の要素を統合した機能と言えるでしょう。
LINE公式アカウントのリッチメニューとLステップの違い
LINE公式アカウントの標準機能でもリッチメニューを作成できますが、Lステップを導入することで、その機能は大幅に拡張されます。
最も大きな違いは、ボタン配置の自由度とユーザーごとの出し分け機能にあります。
LINE公式アカウントとLステップの機能比較
| 項目 | LINE公式アカウント | Lステップ |
|---|---|---|
| タップ可能な領域数 | 最大6個 | 最大20個 |
| レイアウトの自由度 | テンプレートから選択のみ | 自由に配置可能 |
| ユーザーごとの出し分け | 管理画面では不可(全員同じメニュー) | 可能(属性・行動別に表示) |
| タブ分け表示 | 管理画面では不可(API実装が必要) | 簡単に設定可能 |
| 自動切り替え機能 | 表示期間設定のみ | シナリオ連動で自動化可能 |
| 必要なプラン | 無料プランでも利用可能 | スタンダードプラン以上 |
LINE公式アカウントの標準機能では、あらかじめ用意されたテンプレートから選択する形式となっており、タップ可能な領域は最大6個までに制限されています。
デザインの自由度も限定的で、管理画面からの操作では全ユーザーに同じリッチメニューが表示されます。
一方、Lステップではタップ領域を最大20個まで設定でき、その配置も自由に調整することが可能です。
さらに、友だち追加後すぐのユーザーには簡単なアンケート画面を表示し、購入履歴のあるリピーターには新商品の案内を表示するといったように、ユーザーの属性や行動履歴に応じて異なるメニューを出し分けることができます。
ただし、Lステップでこれらの高度な機能を利用するには、スタンダードプラン以上の契約が必要となる点には注意が必要です。
スタートプランではLINE公式アカウントの標準機能のみが利用可能となります。
Lステップのリッチメニューで実現できる高度な機能
Lステップのリッチメニューには、LINE公式アカウントの標準機能にはない、いくつかの特徴的な機能があります。
タブ分け表示
リッチメニューの上部に切り替えボタンを配置することで、複数のメニュー画面を切り替えて表示できる機能です。
たとえば、左側のタブには商品購入や予約に関するボタンを配置し、右側のタブには問い合わせやマニュアルへのリンクを配置するといった使い方ができます。
1枚のリッチメニューに情報を詰め込みすぎるとユーザーが混乱してしまいますが、タブ分けを活用することで情報を整理し、使いやすさを向上させることができます。
自動切り替え機能
シナリオ配信の進行状況や特定のアクションに応じて、自動的にリッチメニューを切り替える機能です。
たとえば、友だち追加直後は初回限定クーポンを前面に出したメニューを表示し、3日後には通常のメニューに自動的に切り替わるといった設定が可能です。
また、セミナー申込者には当日までカウントダウンや必要情報を表示する専用メニューを表示するといった、時系列に沿った情報提供も実現できます。
Lメニュープラス
テンプレートとオリジナル画像を組み合わせてリッチメニューを作成できる機能で、デザイナーに外注せずとも、自社で画像を用意すれば完全オリジナルのメニューが作成可能です。
作成後の修正もプラットフォーム上で簡単にできるため、運用の負担が軽減されます。
Lステップのリッチメニューを作成する前に知っておくべき推奨サイズとデザインの基本
リッチメニューの効果を最大限に引き出すには、技術的な仕様を正しく理解した上で、ユーザーにとって使いやすいデザインを作成することが不可欠です。
画像サイズが規定に合っていなければそもそもアップロードできませんし、デザインが不適切であればせっかく作成したメニューがクリックされない可能性があります。
この章では、リッチメニューの画像サイズと仕様要件、デザイン作成時の注意点、そして初心者でも簡単に高品質なリッチメニューを作成できるCanvaの活用方法について詳しく解説します。
スマートフォンという限られた画面サイズの中で、いかに情報を効果的に配置し、ユーザーの行動を促すかという視点を持つことで、成果につながるリッチメニューを作成できるようになります。
デザインの専門知識がない方でも、この章で紹介するポイントを押さえることで、プロフェッショナルな仕上がりのリッチメニューが作成可能です。
リッチメニューの画像サイズと仕様要件
Lステップのリッチメニューには、大きく分けて2つのサイズタイプが用意されています。
「正方形(大サイズ)」と「ハーフサイズ(小サイズ)」です。
リッチメニューのサイズ仕様一覧
| サイズタイプ | 推奨解像度 | 一般的な端末向け | 容量重視 | ファイルサイズ | 適した用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| 正方形(大) | 2500×1686px | 1200×810px | 800×540px | 1MB以下 | 多くの情報を表示したい場合 |
| ハーフサイズ(小) | 2500×843px | 1200×405px | 800×270px | 1MB以下 | メッセージを読ませたい場合 |
正方形タイプの画像サイズは、横2500ピクセル×縦1686ピクセルとなっています。
トーク画面の大部分を占める表示領域を確保でき、多くの情報やコンテンツを盛り込みたい場合に適しています。
複数の商品カテゴリーへのリンクや、SNSアカウントへの誘導、予約システムなど、多様な機能を一つのメニューに集約したい場合には、この正方形タイプが推奨されます。
一方、ハーフサイズタイプの画像サイズは、横2500ピクセル×縦843ピクセルです。
正方形タイプと比較して縦幅が約半分となっており、トーク画面のメッセージ部分をより多く表示できるという利点があります。
メッセージ配信を積極的に活用したい場合や、配信内容を読みやすくしたい場合には、このハーフサイズが適しています。
どちらのサイズを選択する場合でも、画像ファイルのサイズは1MB以下である必要があります。
これを超える場合はアップロードができないため、解像度を調整するか、JPEG形式で保存し直すなどの対応が必要です。
一般的な端末向けには、正方形タイプであれば横1200ピクセル×縦810ピクセル、ハーフサイズであれば横1200ピクセル×縦405ピクセルのサイズでも対応可能です。
高解像度ディスプレイ端末での表示品質を重視する場合は、横2500ピクセルでの作成も検討できます。
サイズの選択においては、ターゲットとするユーザー層の特性も考慮に入れると良いでしょう。
たとえば、年齢層が高めのユーザーには視認性を重視して正方形タイプで大きく表示する、メッセージをしっかり読んでもらいたい場合はハーフサイズを選択するといった使い分けが考えられます。
デザイン作成時の注意点とクリック率を高めるポイント
リッチメニューのデザインを作成する際には、モバイル画面での視認性と操作性を最優先に考える必要があります。
デザイン作成時の重要チェックポイントは以下のとおりです。
シンプルで直感的なデザイン
複雑なレイアウトや細かすぎる文字は、ユーザーにとってストレスとなり、クリック率の低下につながる場合があります。
モバイルユーザーインターフェースの研究では、限られた画面サイズの中で情報を効果的に伝えるためには、視覚的な階層構造を明確にし、ユーザーの認知負荷を軽減することが重要であると指摘されています。
適切な文字サイズ
スマートフォンで表示されることを考慮し、本文テキストは17ポイント程度、ボタンやリンクも17ポイント、補足情報は13〜15ポイントを参考値とすると良いでしょう。
小さすぎる文字は読みにくく、ユーザーが必要な情報を見逃してしまう原因となります。
人間工学に基づいたボタン配置
人間の視線の動きとスマートフォンを持つ指の可動域を考慮することが推奨されます。
多くの場合、ユーザーの視線はZ字型またはF字型に動く傾向があるため、最も重要なボタンは左上や画面中央に配置すると効果的です。
戦略的な色使い
コーポレートカラーやブランドカラーを活用することで、ユーザーに「この企業らしさ」を感じてもらえると同時に、統一感のあるデザインが信頼感の醸成にもつながります。
ただし、背景色とボタンの色のコントラストが不十分だと、どこがタップできる部分なのかが分かりにくくなってしまうため、明確な区別がつく配色を選ぶことが重要です。
視覚的要素の効果的な活用
テキストだけのメニューよりも、アイコンや画像といった視覚的な要素を加えることで、ユーザーの興味を引きやすくなります。
ただし、画像やアイコンの意味が直感的に理解できない場合、かえって混乱を招く可能性があるため、一般的に認識されているアイコンを使用するか、短い説明文を添えるといった配慮が必要です。
Canvaを使った効果的なリッチメニューデザインの作り方
Canvaは、デザインの専門知識がなくても高品質なリッチメニューを作成できる無料ツールとして、多くの企業や個人事業主に活用されています。
Canvaには、LINEリッチメニュー専用のテンプレートが数百種類以上用意されており、業種やスタイルに応じて選択できるようになっています。
これらのテンプレートは、あらかじめリッチメニューの推奨サイズに設定されているため、基本的なサイズ調整の手間がかかりません。
Canvaでのリッチメニュー作成手順
Canvaのウェブサイトにアクセスし、GoogleアカウントやFacebookアカウントでログインします。
トップページの検索窓に「LINEリッチメニュー」または「リッチメニュー」と入力すると、「LINEリッチメニュー表(大)」と「LINEリッチメニュー表(小)」の2つが表示されます。
作成したいサイズを選択すると、編集画面が開き、左側にテンプレート一覧が表示されます。
テンプレートを選択したら、テキストや画像を自社のものに差し替えていきます。
Canvaには商用利用可能な高品質な写真、イラスト、アイコンが数百万点以上用意されているため、これらの素材を組み合わせることで、プロフェッショナルな仕上がりのリッチメニューが作成できます。
フォントも日本語対応のものが充実しており、ブランドイメージに合わせた選択が可能です。
編集が完了したら、右上の「共有」ボタンをクリックし、「ダウンロード」を選択します。
ファイル形式はPNG形式を選択し、高画質でダウンロードすることが推奨されます。
ただし、ファイルサイズが1MBを超えてしまう場合は、JPEG形式で保存するか、画質を調整する必要があります。
Canvaの有料プラン(Canva Pro)を利用すれば、さらに多くのプレミアム素材やテンプレートが利用できるようになります。
年払いであれば月額換算で1,000円程度で利用できるため、継続的にリッチメニューの更新や改善を行う予定がある場合は、検討する価値があるでしょう。
Lステップでリッチメニューを作成・設定する手順を初心者向けに解説
リッチメニューの作成は、適切な手順を踏むことで初心者でもスムーズに進められます。
この章では、画像の準備から実際の設定、公開までの一連の流れを、実際の管理画面の操作も含めて詳しく解説していきます。
リッチメニューの設定作業は、大きく分けて4つのステップに分けられます。
まず必要な画像を準備し、次にLステップの管理画面で基本情報を入力し、タップ領域とアクションを設定し、最後に公開と動作確認を行います。
各ステップで注意すべきポイントや、よくある失敗例とその対処法も併せて紹介しますので、この章を読み進めることで、実際に手を動かしながら自社のリッチメニューを完成させることができるでしょう。
設定に不安を感じている方も、一つひとつの手順を丁寧に確認しながら進めることで、確実にリッチメニューを公開できます。
ステップ1:リッチメニュー画像の準備と推奨される作成ツール
リッチメニューの設定を始める前に、まず必要な画像を準備する必要があります。
この段階では、どのボタンにどのような機能を持たせるかという「設計図」を作成しておくことが重要です。
- 設計図の作成: リッチメニューに配置するボタンの数、それぞれのボタンをタップした際の動作(URLへの遷移、自動応答メッセージの送信、電話発信など)、遷移先のページやコンテンツなどを明確にしておきます。紙に書き出すか、マインドマップツールを使用して視覚化すると、全体像を把握しやすくなります。
- ボタンの文言設計: ボタンの文言は「名詞」+「行動指示」の形式にすると効果的です。たとえば、「診療予約はこちら」「商品一覧を見る」といった具体的な表現を使うことで、ユーザーがタップ後の結果を予測しやすくなり、クリック率の向上が期待できます。
- 境界線の明確化: ボタンの境界線を明確にし、どこがタップ可能な領域なのかをユーザーが直感的に理解できるようにすることが大切です。
推奨される画像作成ツール
| ツール名 | 料金 | 難易度 | おすすめ度 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Canva | 無料〜月額1,000円程度 | 初心者向け | ★★★★★ | テンプレート豊富、操作が簡単 |
| Illustrator | 月額2,728円 | 中級者向け | ★★★☆☆ | プロフェッショナルな仕上がり |
| Photoshop | 月額2,728円 | 中級者向け | ★★★☆☆ | 写真加工に強い |
設計図が完成したら、実際にリッチメニュー画像を作成します。
前述のCanvaを使用する方法が最も手軽ですが、IllustratorやPhotoshopなどのプロフェッショナルなデザインツールを使用することも可能です。
自社にデザイナーがいる場合や、より高度なデザインを求める場合は、これらのツールの活用も検討すると良いでしょう。
ステップ2:Lステップ管理画面での基本設定方法
画像の準備ができたら、Lステップの管理画面にログインし、実際の設定作業に入ります。
まず、サイドメニューから「リッチメニュー」を選択し、「+新しいリッチメニュー」という青いボタンをクリックします。
すると、画像のアップロード画面が表示されます。
「メニュー画像選択」をクリックして、準備したリッチメニュー画像をアップロードします。
既にアップロード済みの画像がある場合は、その一覧から選択することも可能です。
画像が指定のサイズ要件(横2500ピクセル×縦1686ピクセル、または横2500ピクセル×縦843ピクセル、1MB以下)を満たしていない場合はアップロードができないため、画像を修正してから再度アップロードしてください。
- タイトル(管理用):自分が識別しやすい名前を付けましょう。たとえば、「初回限定クーポンメニュー」「リピーター向けメニュー」といった具体的な名称にしておくと、後で複数のリッチメニューを管理する際に便利です。
- トークルームメニュー(ユーザー表示用):ユーザーのトーク画面に表示される名称を設定します。ここは、ユーザーにとってわかりやすい簡潔な表現を選ぶと良いでしょう。
- メニューの初期状態: ユーザーがトークルームを開いた際にリッチメニューを「表示する」か「表示しない」かを選択できます。基本的には「表示する」を選択しますが、シナリオ配信でメッセージをしっかり読んでもらいたい場合は、「表示しない」を選択し、ユーザーが必要に応じてメニューを開けるようにするという使い方もあります。
ステップ3:タップ領域の分割とアクションの紐付け設定
基本情報の入力が完了したら、次はタップ領域の設定とアクションの紐付けを行います。
Lステップでは、テンプレートを使用する方法と、自由に領域を指定する方法の2種類が用意されています。
初めての方は、まずテンプレートを使用することをおすすめします。
テンプレートには11種類の分割パターンが用意されており、最大6つのタップ領域を設定できます。
スタンダードプラン以上を契約している場合は、「コンテンツ設定」から自由に領域を指定できます。
「+追加」をクリックすると領域設定画面が開きますので、マウスでクリックして長押ししながら範囲を決定します。
この方法を使えば、画像上の任意の位置にタップ領域を設定でき、最大20個までボタンを配置することが可能です。
設定可能なアクション一覧
| アクション種類 | 機能説明 | 活用例 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| URLを開く | 指定したURLを開く | ホームページ、商品ページ、予約システムへの誘導 | URLクリック測定機能の利用を推奨 |
| 電話をかける | 指定した電話番号に発信 | 予約受付、問い合わせ窓口 | – |
| テキストを送信 | 自動で返信メッセージを送信 | よくある質問への自動回答、商品説明 | – |
| テンプレートを表示 | 登録済みのテンプレートを表示 | カルーセル形式の商品紹介 | 事前にテンプレート作成が必要 |
| 回答フォームを開く | アンケートや登録フォームを開く | 顧客情報の収集、アンケート実施 | – |
| リッチメニューを切り替える | 別のリッチメニューに切り替え | タブ分けメニュー、階層構造の実現 | 切り替え先のメニュー作成が必要 |
タップ領域の設定が完了したら、各領域に対してアクションを設定します。
まず「URLを開く」というアクションがあります。
これは、ボタンをタップした際に指定したURLを開く機能です。
自社のホームページ、商品ページ、予約システム、ECサイトなど、外部のウェブページに誘導したい場合に使用します。
ただし、ここで注意すべき点は、リッチメニューにURLを直接貼り付けると、タップ率の測定ができなくなってしまうということです。
Lステップの最大の強みである分析機能を活用するためには、「URLクリック測定」機能で発行したURLを使用することが強く推奨されます。
次に「電話をかける」というアクションがあります。
ボタンをタップすると指定した電話番号に発信できる機能で、飲食店の予約受付や問い合わせ窓口などに活用されます。
「テキストを送信する」は、ボタンをタップすると自動で返信メッセージが送信される機能です。
よくある質問への自動回答や、商品説明の送信、スタッフ紹介などに使用できます。
この機能を活用することで、問い合わせ対応の業務負担を大幅に削減できる可能性があります。
その他にも、「テンプレートを表示」「回答フォームを開く」「リッチメニューを切り替える」といったアクションが設定できます。
これらを組み合わせることで、ユーザーの行動に応じた柔軟な対応が可能になります。
各ボタンにアクションを設定する際には、タグ付けやスコアリングの設定も同時に行うことをおすすめします。
たとえば、「商品Aのページを見た」というタグを付与しておくことで、後からそのユーザーに対して関連商品の案内を送信するといったセグメント配信が可能になります。
ステップ4:リッチメニューの公開と表示確認
すべての設定が完了したら、リッチメニューを保存し、実際に正しく動作するかを確認します。
設定画面の下部にある「保存」ボタンをクリックすると、リッチメニューが登録されます。
ただし、この段階ではまだユーザー側には表示されていません。
- 各ボタンが正しく機能するか
- タップした際に想定通りの動作をするか
- 画像の文字が読みやすいか
- ボタンの境界が明確か
- リンク先のページが正しく表示されるか
- 電話番号が正確に設定されているか
作成したリッチメニューをユーザー側に反映するには、アクション設定が必要です。
「友だち追加時設定」でリッチメニューを指定することで、新規の友だちに対して自動的にそのメニューが表示されるようになります。
既存の友だちに対してリッチメニューを変更したい場合は、「友だちリスト」から対象者を選択し、一括操作でリッチメニューを変更することができます。
設定が完了したら、自分のスマートフォンで実際の表示を確認することを推奨します。
もし問題があれば、Lステップの管理画面に戻って修正を行います。
リッチメニューの切り替え機能で顧客体験を向上させる活用方法
リッチメニューは一度設定したら終わりではなく、ユーザーの状況や時期に応じて柔軟に切り替えることで、その効果を最大化できます。
切り替え機能を活用することで、友だち追加直後のユーザーには初心者向けの案内を、購入済みのユーザーにはアフターサポート情報を、キャンペーン期間中には特別オファーを表示するといった、きめ細かな対応が可能になります。
この章では、リッチメニューの切り替え機能の基本的な仕組みから、自動切り替えと手動切り替えの違い、そして実際のビジネスシーンでどのように活用されているかという実例まで、具体的に解説していきます。
切り替え機能を理解することで、ユーザーのカスタマージャーニー(商品やサービスを知ってから購入に至るまでの一連の流れ)に沿った最適な情報提供が実現し、顧客満足度の向上とコンバージョン率の改善が期待できます。
一度設定すれば自動で切り替わるため、運用の手間も最小限に抑えられるのが大きな利点です。
切り替え機能の仕組みと効果的な活用シーン
リッチメニューの切り替え機能とは、特定の条件やアクションに応じて、表示するリッチメニューを自動的に変更する機能のことを指します。
これにより、ユーザーのカスタマージャーニー(顧客が商品やサービスを認知してから購入に至るまでの一連のプロセス)に沿った情報提供が実現します。
- 時系列に沿った情報提供: セミナーやイベントの申込者に対して、申込直後は詳細情報や準備事項を表示するリッチメニューを表示し、開催3日前には当日の持ち物や会場アクセスを強調したメニューに切り替え、開催当日は受付方法や緊急連絡先を前面に出したメニューに変更するといった使い方です。
- キャンペーン期間に応じた切り替え: 期間限定のキャンペーン期間中は特別価格や限定商品を前面に出したリッチメニューを表示し、キャンペーン終了後は通常のメニューに自動的に戻すという設定により、常に最新の情報をユーザーに届けることができます。
- 購入後のフォローアップ: 商品を購入したユーザーに対しては、使い方ガイドやサポート情報を中心としたリッチメニューに切り替え、リピート購入を促すメニューは一定期間経過後に表示するといった段階的なアプローチが可能です。
自動切り替えと手動切り替えの設定手順の違い
リッチメニューの切り替えには、自動切り替えと手動切り替えの2つの方法があります。
切り替え方法の比較
| 切り替え方法 | 設定の難易度 | 運用の手間 | 適したケース | 必要な設定 |
|---|---|---|---|---|
| 自動切り替え | 中〜高 | 少ない(初回設定のみ) | 定期的なキャンペーン、シナリオ配信との連動 | シナリオ配信、アクション設定 |
| 手動切り替え | 低 | 多い(都度操作が必要) | 急なキャンペーン、イレギュラー対応 | 友だちリストからの一括操作 |
自動切り替えは、主にシナリオ配信やアクション設定と連動させて実現します。
たとえば、友だち追加と同時にシナリオ配信を開始し、シナリオの3日目の配信と同時にリッチメニューを切り替えるといった設定が可能です。
- 複数のリッチメニューを事前に作成しておく
- シナリオ配信の設定画面を開く
- 特定の配信日時にアクションとして「リッチメニューを変更する」を追加
- 切り替え先のリッチメニューを指定
これにより、シナリオの進行に応じて自動的にリッチメニューが切り替わります。
より高度な活用例として、リッチメニュー自体のボタンに「別のリッチメニューに切り替える」というアクションを設定することもできます。
たとえば、初期表示のメニューに「商品一覧を見る」というボタンを配置し、そのボタンをタップすると商品カテゴリーが表示された別のリッチメニューに切り替わるという設定です。
これにより、タブ分けと同様の効果を実現しながら、より直感的な導線設計が可能になります。
手動切り替えは、管理者が必要に応じて手動でリッチメニューを変更する方法です。
Lステップの「友だちリスト」から対象となる友だちを検索し、「友だち一括操作」メニューから「メニュー」を選択して、表示したいリッチメニューを指定します。
全員に対して一括で変更することも、特定のタグが付いた友だちだけに絞り込んで変更することも可能です。
手動切り替えは、急なキャンペーンの実施や、予期しないトラブル対応など、即座に情報を更新する必要がある場合に有効です。
顧客の行動に応じた切り替えパターンの実例
実際のビジネスシーンでは、以下のような切り替えパターンが効果的に活用されています。
業種別の切り替えパターン事例
| 業種 | 初期段階 | 中間段階 | 最終段階 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 学習塾・教育 | 体験レッスン準備情報 | 入会案内・料金プラン | 授業スケジュール・教材アクセス | 段階的な情報提供で安心感を醸成 |
| EC事業 | 使い方ガイド・サポート | リピート特典・関連商品 | VIP限定商品・定期購入プラン | リピート率向上 |
| 飲食店 | 予約確認・来店準備情報 | ポイントカード確認 | 次回予約促進・季節メニュー案内 | 再来店率向上 |
学習塾や教育サービスでは、体験レッスン申込者には体験当日までの準備情報を表示するメニューを表示し、体験後には入会案内や料金プランを中心としたメニューに切り替え、入会後は授業スケジュールや学習教材へのアクセスを優先したメニューを表示するという段階的なアプローチが取られています。
EC事業では、初回購入者には商品の使い方ガイドやサポート情報を中心としたメニューを表示し、2回目以降の購入者にはリピート特典や定期購入プランの案内を前面に出したメニューに切り替えるという方法が効果を上げています。
飲食店では、予約済みの顧客には来店当日の持ち物や駐車場情報を表示するメニューを表示し、来店後にはポイントカードの確認や次回予約の促進を中心としたメニューに切り替えることで、リピート率の向上につなげている例があります。
これらの実例に共通するのは、ユーザーの現在の状態やニーズに合わせて、最も関連性の高い情報を優先的に表示しているという点です。
リッチメニューの出し分け設定でユーザー属性別にメニューを表示する
すべてのユーザーに同じ情報を提供するのではなく、一人ひとりの属性や興味関心に合わせて最適なメニューを表示する「出し分け」は、Lステップリッチメニューの最も強力な機能の一つです。
出し分け機能を活用することで、新規顧客には商品の説明や使い方を丁寧に案内し、既存顧客にはリピート特典や新商品情報を優先的に表示するといった、パーソナライズされた顧客体験が実現します。
この章では、出し分け機能の基本的な概念から、セグメント配信との関係性、そして友だち追加経路やタグ、シナリオを活用した具体的な設定方法まで、段階を追って解説していきます。
また、期間限定キャンペーンや時間帯による条件分岐といった、より高度な活用例も紹介します。
出し分け機能を適切に設定することで、ユーザー満足度の向上だけでなく、マーケティング効率の改善やコンバージョン率の向上も期待できるため、ぜひこの機能をマスターしていただきたいと思います。
出し分け機能とは?セグメント配信との関係性
出し分け機能とは、友だちの属性、行動履歴、タグ情報などに基づいて、それぞれ異なるリッチメニューを表示する機能のことです。
LINE公式アカウントの標準機能では全てのユーザーに同じメニューが表示されますが、Lステップの出し分け機能を使うことで、ユーザーごとにパーソナライズされた体験を提供できます。
出し分け機能とセグメント配信の比較
| 項目 | 出し分け機能 | セグメント配信 |
|---|---|---|
| アプローチ方法 | ユーザーが見に行く | 企業から送る |
| 表示タイミング | トーク画面を開いた時 | 配信スケジュールに基づく |
| ユーザーの能動性 | 必要な情報を自分で選択 | 受動的に情報を受け取る |
| 情報の鮮度 | 常に最新の情報が表示される | 配信時点の情報 |
| 最適な使用場面 | 常設情報、よくある質問、予約リンク | 新商品案内、キャンペーン告知 |
出し分け機能とセグメント配信は、いずれもユーザーを属性や行動で分類して対応を変えるという点で共通していますが、アプローチが異なります。
セグメント配信は、特定の条件に該当するユーザーに対してメッセージを送信する機能です。
一方、リッチメニューの出し分けは、ユーザーがトーク画面を開いた際に常に適切な情報が表示される仕組みです。
この2つを組み合わせることで、より効果的なマーケティング戦略が実現します。
たとえば、特定の商品に興味を示したユーザーに対して、セグメント配信でその商品の詳細情報を送信すると同時に、リッチメニューも関連商品の購入ページへのアクセスを優先した内容に変更するといった連携が可能です。
友だち追加経路やタグ・シナリオによる出し分け設定方法
出し分けの設定を行うには、まず分類の基準となる「タグ」や「友だち情報」を適切に管理する必要があります。
出し分けの主な分類基準は以下の4つです。
友だち追加経路による出し分け
InstagramからLINEに登録したユーザーには若年層向けのカジュアルなデザインのメニューを表示し、公式サイトから登録したユーザーには詳細情報を重視した落ち着いたデザインのメニューを表示するといった使い分けができます。
タグを活用した出し分け
アンケートで「商品Aに興味がある」と回答したユーザーには「商品A購入検討者用タグ」を付与し、そのタグを持つユーザーには商品Aの詳細情報や関連商品へのリンクを中心としたリッチメニューを表示するという設定が可能です。
シナリオ配信と連動した出し分け
特定のシナリオを購読中のユーザーに対しては、そのシナリオの内容に関連した情報を優先的に表示するリッチメニューを設定することで、シナリオ配信の効果を高めることができます。
購入履歴による出し分け
初回購入者には丁寧な使い方ガイドやサポート情報を中心としたメニューを表示し、複数回購入しているロイヤルカスタマーには限定商品やVIP特典へのアクセスを優先したメニューを表示することで、顧客満足度とリピート率の向上が期待できます。
- 「流入経路分析」機能で各追加経路に自動的にタグを付与するよう設定
- 各タグに対応する複数のリッチメニューを作成
- 「友だち追加時設定」で経路ごとに異なるリッチメニューを指定
期間限定キャンペーンや時間帯による条件分岐の活用例
期間や時間帯による条件分岐を活用することで、よりタイムリーな情報提供が可能になります。
条件分岐の活用パターン
| 分岐条件 | 設定方法 | 活用例 | 対象プラン |
|---|---|---|---|
| 期間指定 | スケジュール設定 | 月末キャンペーン、季節限定商品の訴求 | プロプラン以上推奨 |
| 時間帯 | 時刻条件設定 | ランチ/ディナーメニューの切り替え | スタンダードプラン以上 |
| ゴール日 | 最終日設定 | セミナー開催日までのカウントダウン | スタンダードプラン以上 |
| 経過日数 | シナリオ連動 | 友だち追加後の経過日数に応じた情報提供 | スタンダードプラン以上 |
期間限定キャンペーンの場合、アクション設定の「スケジュール設定」機能を使うことで、特定の期間だけ自動的にキャンペーン用のリッチメニューを表示し、期間終了後は自動的に通常のメニューに戻すという設定ができます。
プロプラン以上を契約している場合、この機能がより高度に活用できます。
たとえば、月末から月初にかけて実施する「新規会員キャンペーン」では、月末3日間は「残りわずか」という緊急性を強調したメニューを表示し、新月になったら新しいキャンペーンのメニューに自動的に切り替わるという設定が可能です。
時間帯による出し分けは、飲食店やサービス業で特に効果を発揮します。
たとえば、ランチタイム(11時〜14時)には日替わりランチメニューを前面に出したリッチメニューを表示し、ディナータイム(17時〜22時)にはコース料理や飲み放題プランを強調したメニューに自動的に切り替わるという運用ができます。
ゴール日を設定した出し分けも有効です。
たとえば、セミナー開催日を最終日として設定し、開催3日前から毎日異なる情報を提供するリッチメニューに自動的に切り替わるようにすることで、参加者の準備をサポートし、当日のスムーズな運営につなげることができます。
Lステップのリッチメニュー活用で成果を上げる実践的な運用ノウハウ
リッチメニューを作成し公開しただけでは、その効果を最大限に引き出すことはできません。
継続的な効果測定と改善、そしてユーザーの行動心理に基づいた戦略的な運用が、成果を大きく左右します。
この章では、リッチメニューの効果を最大化するための実践的な運用ノウハウを紹介します。
クリック率を高めるためのレイアウトとボタン配置の考え方、カスタマージャーニー全体を見据えた導線設計のコツ、そして効果測定の具体的な指標と改善サイクルの回し方まで、すぐに実践できる内容をお届けします。
モバイルユーザーインターフェースの研究成果や実際のビジネス現場での成功事例を参考にしながら、自社のリッチメニューをより効果的なものへと進化させる方法を学んでいきましょう。
一度設定して終わりではなく、データに基づいた継続的な改善を行うことで、リッチメニューは強力なマーケティングツールとして機能し続けます。
クリック率を高めるレイアウトとボタン配置の優先順位
リッチメニューのクリック率は、ボタンの配置とレイアウトによって大きく変化します。
モバイルユーザーインターフェースの研究によると、スマートフォンを片手で操作する場合、親指の可動域が最も広いのは画面の中央下部から左下部にかけてのエリアです。
ボタン配置の優先度マップ
| 配置エリア | 優先度 | 視認性 | 操作性 | 推奨する配置内容 |
|---|---|---|---|---|
| 左上 | 高 | 高 | 中 | ブランディング、重要な情報 |
| 中央上 | 高 | 高 | 中 | メインコンテンツへのリンク |
| 右上 | 中 | 中 | 低 | 補助的な情報 |
| 左中央 | 高 | 中 | 高 | 重要なアクションボタン |
| 中央 | 最高 | 最高 | 高 | 最優先のCTAボタン |
| 右中央 | 中 | 中 | 中 | サブアクションボタン |
| 左下 | 高 | 中 | 最高 | よく使う機能(親指で押しやすい) |
| 中央下 | 高 | 中 | 高 | 頻繁にアクセスする情報 |
| 右下 | 中 | 低 | 中 | 補助機能、設定など |
したがって、最も重要なアクション(予約、購入、問い合わせなど)は、この領域に配置することが推奨されます。
また、ユーザーの視線はZ字型またはF字型に動く傾向があるため、左上に配置されたボタンも目に留まりやすいとされています。
- ビジネス目標との整合性: 予約率を向上させたい飲食店であれば、予約ボタンを最も大きく、最も目立つ位置に配置します。ECサイトであれば、新商品や売れ筋商品へのリンクを優先的に配置するといった具合です。
- ボタン数の最適化: 6個程度に抑えることが推奨されています。あまりにも多くのボタンを配置すると、ユーザーがどこをタップすれば良いか迷ってしまい、どのボタンもタップされにくくなる場合があります。もし6個以上の情報を提供したい場合は、タブ分け機能を活用して情報を整理することをおすすめします。
- 視覚的階層構造の構築: 最も重要なボタンは大きく目立つ色で配置し、補助的な情報へのリンクは小さめに、目立たない色で配置するといったメリハリをつけることで、ユーザーの行動を自然に誘導することができます。
カスタマージャーニーに合わせた導線設計のコツ
効果的なリッチメニューは、カスタマージャーニー全体を俯瞰した上で設計されています。
カスタマージャーニー段階別のリッチメニュー設計
| 段階 | ユーザーの状態 | 優先表示すべき情報 | 推奨ボタン例 | 目的 |
|---|---|---|---|---|
| 認知 | サービスを知ったばかり | サービス概要、信頼性の証明 | サービス紹介動画、お客様の声、よくある質問 | 理解と信頼の構築 |
| 検討 | 購入を考え始めている | 具体的な商品情報、価格 | 料金プラン、無料相談予約、資料請求 | 購入検討を後押し |
| 購入直前 | 最後の一押しを待っている | 特典、安心材料 | 期間限定特典、今だけクーポン、安心の返金保証 | 購入への背中押し |
| 購入後 | 商品・サービスを利用中 | 使い方、サポート情報 | 使い方ガイド、トラブル対処法、カスタマーサポート | 満足度向上、リピート促進 |
認知段階にいるユーザーに対しては、サービスの概要や特徴を理解してもらうためのコンテンツへのリンクを優先的に配置します。
たとえば、「サービス紹介動画」「お客様の声」「よくある質問」といったボタンが効果的です。
検討段階に進んだユーザーには、具体的な商品情報や価格プラン、比較表などへのアクセスを容易にします。
「料金プラン」「無料相談予約」「資料請求」といったボタンを前面に出すことで、購入検討を後押しします。
購入直前のユーザーには、最後の一押しとなる情報を提供します。
「期間限定特典」「今だけクーポン」「安心の返金保証」といった要素を強調することで、購入への心理的ハードルを下げることができます。
購入後のユーザーに対しては、商品の使い方サポートやアフターフォローの情報を中心に据えます。
「使い方ガイド」「よくあるトラブルと対処法」「カスタマーサポート」といったボタンを配置することで、顧客満足度の向上とリピート購入の促進につながります。
重要なのは、これらの段階ごとに異なるリッチメニューを用意し、ユーザーの進行状況に応じて自動的に切り替わるよう設定することです。
これにより、常にユーザーのニーズに合った情報提供が実現します。
効果測定の指標と改善サイクルの回し方
リッチメニューの効果を継続的に向上させるには、適切な指標で効果を測定し、データに基づいた改善を行うことが不可欠です。
主要な効果測定指標
| 指標名 | 測定内容 | 計算方法 | 目標値の目安 | 改善アクション |
|---|---|---|---|---|
| クリック率(タップ率) | 各ボタンのクリック数 | クリック数÷表示回数×100 | 業種により異なる | 配置変更、文言修正、デザイン改善 |
| コンバージョン率 | 最終成果につながった割合 | コンバージョン数÷クリック数×100 | 目標により設定 | 遷移先ページの改善 |
| ボタン別貢献度 | 各ボタンの売上貢献 | ボタン経由の売上÷総売上×100 | – | 高貢献ボタンを強調配置 |
| 離脱率 | クリック後の離脱割合 | 離脱数÷クリック数×100 | 低いほど良い | 遷移先の関連性向上 |
まず測定すべき主要な指標は、各ボタンのクリック率(タップ率)です。
Lステップでは、リッチメニューの各ボタンにタグやスコアリングを設定することで、どのボタンがどれだけクリックされたかを追跡できます。
クリック率の低いボタンは、配置位置を変更するか、文言やデザインを見直す必要があるかもしれません。
コンバージョン率(最終的な成果につながった割合)も重要な指標です。
たとえば、リッチメニューから予約ページにアクセスしたユーザーのうち、実際に予約を完了した人の割合を測定します。
アクセス数は多いのにコンバージョンが低い場合、遷移先のページに問題がある可能性が高いと判断できます。
- Plan(計画):データ分析から仮説を立て、改善施策を計画する
- Do(実行):A/Bテストや新しいデザインを実装する
- Check(評価):2週間〜1ヶ月のデータを収集し、効果を測定する
- Action(改善):結果を踏まえて次の改善策を立案する
A/Bテストの実施も効果的です。
Lステップには専用のA/Bテスト機能はありませんが、同じ機能を持つボタンで、デザインや文言だけを変えた2種類のリッチメニューを用意し、それぞれ異なるユーザーグループに表示して効果を比較することができます。
業種によっては、ボタンの文言を変えるだけでクリック率が向上したという事例も報告されています。
改善サイクルは、2週間から1ヶ月程度の期間で回すことが一般的です。
短すぎると十分なデータが集まらず、長すぎると機会損失が大きくなる可能性があります。
データを分析し、仮説を立て、改善施策を実施し、再度効果を測定するというPDCAサイクルを継続的に回すことが、長期的な成果向上につながります。
よくある質問
- Lステップのリッチメニューは無料プランでも使用できますか
-
Lステップのリッチメニュー機能は、スタンダードプラン以上で利用可能です。
スタートプランではLステップ側からの高度な設定はできませんが、LINE公式アカウントの標準機能としてのリッチメニューは利用できます。
ただし、タブ分けやユーザーごとの出し分けといった高度な機能を活用したい場合は、スタンダードプラン以上へのアップグレードが必要となります。
プランの選択については、自社のマーケティング戦略や予算に応じて検討することをおすすめします。
- リッチメニューの画像はどのツールで作成するのが良いですか
-
デザインの専門知識がない方には、Canvaの使用を強くおすすめします。
Canvaには数百種類以上のリッチメニュー専用テンプレートが用意されており、無料で利用できるものも多数あります。
また、操作が直感的で、画像サイズも自動で最適化されるため、初めての方でも高品質なリッチメニューを作成できる可能性が高いです。
より高度なデザインを求める場合は、IllustratorやPhotoshopといったプロフェッショナルなツールの使用も検討できます。
- リッチメニューは何回でも変更できますか
-
はい、リッチメニューは複数回変更可能です。
Lステップの管理画面から、既存のリッチメニューを編集したり、新しいリッチメニューを作成して切り替えたりすることができます。
変更は即座に反映され、ユーザー側には通知されません。
ただし、あまり頻繁に変更すると、ユーザーが混乱する可能性がありますので、変更する際は明確な理由と戦略を持って行うことが推奨されます。
- リッチメニューのクリック率を上げるにはどうすれば良いですか
-
クリック率を向上させるには、いくつかのポイントがあります。
まず、ボタンの文言を具体的な行動指示にすることです。
「こちら」ではなく「商品を見る」「予約する」といった明確な表現を使いましょう。
次に、視認性の高いデザインを心がけ、重要なボタンは大きく目立つ色で配置します。
また、ユーザーの視線の動きと指の可動域を考慮した配置も効果的です。
定期的にA/Bテストを実施し、データに基づいた改善を継続することも重要です。
- タブ分けリッチメニューは何個まで作れますか
-
Lステップでタブ分けを行う場合、実用的には2〜3個程度にとどめることをおすすめします。
タブが多すぎると、ユーザーが必要な情報にたどり着くまでのステップ数が増え、離脱率が上昇する可能性があります。
理想的には、どの情報にも3タップ以内でアクセスできる構造を心がけると良いでしょう。
もし多くの情報を提供したい場合は、情報を整理し、優先順位をつけて絞り込むことが効果的です。
- 出し分け機能を使うにはどのような準備が必要ですか
-
出し分け機能を効果的に使用するには、まずタグ設計が重要です。
どのような属性や行動でユーザーを分類するかを明確にし、それに応じたタグを作成します。
たとえば、「初回訪問者」「購入経験あり」「商品Aに興味あり」といったタグを事前に設計しておきます。
次に、それぞれのセグメントに対応するリッチメニューを複数作成します。
アンケートや回答フォームを活用してユーザー情報を収集し、自動的にタグを付与する仕組みを構築することで、精度の高い出し分けが実現します。
まとめ
Lステップのリッチメニューは、LINE公式アカウントの標準機能を大きく超える柔軟性と機能性を持ち、適切に活用することでマーケティング成果の大幅な向上が期待できるツールです。
最大20個のボタンを自由に配置できる柔軟性、タブ分けによる情報の整理、ユーザー属性に応じた出し分け、カスタマージャーニーに沿った自動切り替えといった高度な機能により、ユーザー一人ひとりに最適化された体験を提供することが可能です。
リッチメニューを効果的に活用するためには、まず適切なサイズと仕様を理解し、ユーザーにとって見やすく操作しやすいデザインを作成することが基本となります。
Canvaなどの無料ツールを活用することで、デザイン初心者でも高品質なリッチメニューを作成できる可能性が高まります。
設定においては、各ボタンに適切なアクションを紐付け、タグやスコアリングを活用して効果測定を行い、データに基づいた継続的な改善を行うことが重要です。
A/Bテストを定期的に実施し、クリック率やコンバージョン率を追跡することで、より効果的なリッチメニューへと進化させることができます。
切り替えや出し分け機能を活用する際は、ユーザーのカスタマージャーニーを意識し、それぞれの段階に適した情報提供を心がけましょう。
友だち追加直後の新規ユーザーには丁寧な案内を、購入経験のあるリピーターには特典や新商品情報を優先的に表示するといった、きめ細かな対応が顧客満足度の向上につながります。
リッチメニューは設定して終わりではなく、継続的な運用と改善が成果を左右します。
ユーザーの反応を注意深く観察し、季節やキャンペーンに合わせて柔軟に内容を更新することで、常に最適な顧客体験を提供し続けることができるでしょう。
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