Lステップの流入経路とは?設定方法から分析・活用のポイントまで徹底解説

Lステップの流入経路とは?設定方法から分析・活用のポイントまで徹底解説

あなたがLINEで商品やサービスを宣伝する際、Instagram広告を見て登録した人と、お店で配っているチラシを見て登録した人では、興味の度合いや購入意欲が違う可能性があります。

なぜなら、わざわざお店まで足を運んでチラシを手に取った人は、すでに商品に強い関心を持っているかもしれないからです。

Lステップの流入経路機能を使うと、こうした「友だちがどこから来たのか」を自動的に記録できます。

これにより、たとえば「Instagram広告に月10万円使っているけれど、実際に商品を買ってくれるのは店頭チラシから来た人が多い」といったことがわかるようになります。

その結果、効果の低い広告への予算を減らし、効果の高い方法に集中させることができるのです。

Lステップの経路分析とは
  • 友だちがどこから来たかを自動で記録して管理できる
  • 登録元に応じて自動でタグ付けしメッセージを送り分けられる
  • 広告やチラシごとに専用QRコードを作って効果を測定できる
  • どの集客方法が効果的かを数字で比較して判断できる
  • 来た場所に合わせた配信で無駄な広告費を削減できる

複数の方法で集客している企業ほど、流入経路の把握は重要になります。

どの集客方法が本当に効果的なのかがわからなければ、限られた広告予算をどこに使えばいいのか判断できません。

Lステップなら、それぞれの集客方法に専用のQRコードやURLを用意することで、友だち一人ひとりが「どこから来たのか」を自動的に記録してくれます。

この記事では、Lステップの流入経路機能について、基本的な仕組みから実際の設定方法、そしてデータをどう活用すればいいのかまで、初めての方でも理解できるように順を追って説明していきます。

この記事でわかること
  • 流入経路とは何か、なぜビジネスに役立つのか
  • どんな種類の流入経路が記録できるのか
  • 実際にどうやって設定するのか(3ステップで完了)
  • 集めたデータをどう分析して、売上アップにつなげるのか
目次

Lステップの流入経路とは友だちがどこから来たかを記録・管理する機能

流入経路とは、簡単に言えば「お客さんがどこからあなたのLINEを見つけて、友だち登録してくれたのか」を記録する機能です。

たとえば、ホームページに貼ったQRコードから来たのか、YouTubeの動画説明欄のリンクから来たのか、それとも店頭のポスターを見て登録してくれたのか、こうした情報を一人ひとりについて記録できます。

なぜこの機能が重要かというと、集客方法によって成果が大きく違うからです。

具体例を挙げると、月5万円かけたInstagram広告から100人の友だちが増えても、そのうち商品を買ってくれる人が5人だけだったとします。

一方、費用をかけずに店頭に置いたチラシからは50人しか増えなかったけれど、そのうち20人が商品を買ってくれたとしたら、どちらに力を入れるべきでしょうか。

答えは明らかですよね。

通常のLINE公式アカウントでも、友だち追加経路を設定すれば経路別のURL/QRコードを発行し、どの経路から何人追加されたかを集計できます。

ただし、友だち一人ひとりと経路情報を紐づけて個別管理したり、経路に応じた自動タグ付けや配信の出し分けを行うことは困難です。

Lステップを使うと、こうした詳細な個別管理と自動化が可能になります。

友だち追加の経路ごとに自動でタグ付けして管理できる

Lステップの便利なところは、友だち登録してくれた瞬間に、自動的に「この人はInstagramから来た」「この人は店頭チラシから来た」といった目印(タグ)をつけてくれる点です。

たとえば、カフェを経営している場合、お店に置くチラシ用のQRコード①、Instagram投稿用のQRコード②、ホームページ用のQRコード③というように、場所ごとに違うQRコードを用意します。

すると、お客さんが①のQRコードから登録してくれたら「店頭チラシ」というタグが、②から登録してくれたら「Instagram」というタグが自動的につきます。

この作業を手動でやろうとすると大変ですが、Lステップなら全部自動でやってくれるのです。

自動タグ付けのメリット
  • 手動での作業が不要になり、時間を節約できる
  • 人的ミスがなくなり、正確なデータが集まる
  • リアルタイムで適切な対応ができる
  • 流入経路に応じたメッセージを自動で送り分けられる

さらに、このタグに応じて送るメッセージを変えることもできます

店頭チラシから登録した人には「ご来店ありがとうございます!次回使える10%オフクーポンをプレゼント」、Instagramから登録した人には「フォローありがとうございます!当店の人気メニューベスト3をご紹介」といった具合に、その人がどこから来たかに合わせたメッセージを送ることができます。

また、データを分析すると「セミナーに参加して登録した人は、その後商品を買ってくれる確率が高い」といったことがわかることもあります。

そうなれば、今後はセミナー開催に力を入れるべきだ、という判断材料になるわけです。

どの集客施策が効果的かを数値で判断できるようになる

流入経路を記録することで、今まで「なんとなくこの方法が良さそう」と感覚で判断していたことが、数字で明確にわかるようになります。

たとえば「Instagram広告から100人増えた」「店頭チラシから50人増えた」というだけでなく、「Instagram広告から来た人のうち商品を買ってくれたのは5人(5%)」「店頭チラシから来た人のうち商品を買ってくれたのは20人(40%)」という数字まで見えるようになります。

この数字がわかれば、予算の使い方も変わってきます。

先ほどの例なら、Instagram広告に月5万円使うよりも、店頭チラシを増やす方が効果的かもしれません。

あるいは、Instagram広告の内容を変えて、もっと商品に興味がある人に届くようにするという改善策も考えられます。

流入経路データで改善できること

改善項目具体例
予算配分の最適化効果の低い広告から、効果の高い施策へ予算を移す
広告内容の改善反応率の低い広告のデザインやキャッチコピーを変更する
ターゲット設定の見直し購入率の高い層に絞って広告を配信する
新規施策の判断データに基づいて新しい集客方法を試すか決める

また、集客方法によってお客さんの特徴も違います。

たとえば、Google検索で「○○ 購入」と検索してきた人は、すでに買う気があるかもしれません。

そういう人には、すぐに使えるクーポンを送るのが効果的です。

一方、SNSで何気なく投稿を見て登録した人は、まだ商品についてよく知らないかもしれません。

そういう人には、まず商品の良さを伝える情報を段階的に送る方がいいでしょう。

このように、来た場所によって対応を変えることができます

Lステップで記録できる流入経路は大きく分けて2種類ある

Lステップで管理できる流入経路には、大きく分けて2つのパターンがあります。

ひとつは「LINE公式アカウントが標準で判別する基本的な経路」、もうひとつは「Lステップで詳細に名前をつけて管理する経路」です。

この2つを理解して使い分けることで、より詳しい分析ができるようになります。

流入経路の2つのパターン

タイプ説明設定の必要性具体例
自動判別される経路LINE側が自動的に判別する基本的な経路情報不要(自動)LINE検索から追加、QRコードスキャン、友だち追加広告
独自に設定する流入経路あなたが自由に名前をつけて管理できる経路必要(手動設定)Instagram投稿A、店頭ポスター12月版、YouTube動画01

自動的に判別される経路というのは、たとえば「LINE公式アカウントの検索機能を使って友だち追加された」「QRコードをスキャンして追加された」といった、LINEの標準機能でわかる情報のことです。

一方、自分で管理する経路というのは、「Instagram広告A」「店頭ポスター12月版」「YouTubeチャンネル紹介動画」など、あなたが自由に名前をつけて区別できる経路のことです。

たとえば美容室を経営している場合、「ホットペッパービューティーに載せた広告」「Instagramの投稿」「お店の入口のポスター」「スタッフAさんが配ったチラシ」「スタッフBさんが配ったチラシ」など、細かく分けて管理することもできます。

この柔軟性が、Lステップの大きな強みといえます。

LINE公式アカウントの機能から自動で記録される流入経路

LINE公式アカウントには「友だち追加経路を設定」機能があり、設置場所や媒体ごとに異なるURL/QRコードを発行できます。

これにより、レジ前・チラシ・ホームページなど、どの経路から何人追加されたかを集計・分析することが可能です。

ただし、LINE公式アカウント標準機能では、友だち一人ひとりと経路情報を紐づけて個別管理したり、経路に応じた自動タグ付けや配信の出し分けを行うことは困難です。

Lステップの強みは、経路別の集計にとどまらず、友だち一人ひとりに流入経路を自動でタグ付けし、そのタグに応じた配信の出し分けやシナリオ分岐を自動化できる点です。

LINE公式アカウントの経路分析機能とLステップの個別管理・自動化機能を組み合わせることで、より高度なマーケティング施策が実現できます。

QRコードやURLごとに独自の名前をつけて管理できる流入経路

Lステップの便利なところは、あなたが自由に流入経路の名前を決められる点です。

たとえば飲食店なら「Instagram_新メニュー投稿_2024年12月」「店頭_クリスマスキャンペーン_ポスター」「ホームページ_トップページバナー」といったように、後で見てもすぐにわかる名前をつけることができます。

それぞれの流入経路に対して、専用のQRコードやURLが発行されます。

これらは見た目は似ていても、内部的には違う識別番号がついているため、Lステップはどちらから来たのかを正確に区別できます。

たとえば、同じLINE公式アカウントでも、Instagram用のリンクとFacebook用のリンクでは違う番号がついているので、どちらから登録してくれたのかがわかるのです。

命名ルールの良い例と悪い例

良い例悪い例理由
店頭_レジ横ポスター_2024年12月QRコード1場所・内容・時期が一目でわかる
Instagram_新商品キャンペーン_春URL_A何のキャンペーンか後で思い出せる
YouTube_商品紹介動画_概要欄テストどこに設置したか明確
HP_トップページ_メインバナーリンク123設置場所が具体的

さらに上級者向けの使い方として、Googleタグマネージャー(GTM)を使って「ホームページのどのページから友だち追加リンクがクリックされたか」を計測することもできます。​

ただし、GTMで計測できるのは、あくまで「友だち追加ボタンのクリック」までです。

クリック後のアプリ遷移や同意画面での操作、途中離脱などは追跡できないため、クリック数と実際の友だち追加完了数は一致しないことがあります。​

友だち追加の「完了」まで正確に計測したい場合は、Lステップなどの専用ツールを使った補助的な設定が必要になります。

計測データはGoogleアナリティクスなどのアクセス解析ツールで確認できます。

オンライン広告・チラシ・店頭など媒体ごとに流入経路を使い分ける

流入経路の設定は、あなたのビジネスでどんな集客方法を使っているかに合わせて行います。

インターネット広告を複数使っている場合は、広告の種類ごとに流入経路を分けることをおすすめします。

Google広告用、Facebook広告用、Instagram広告用というように分けることで、どの広告が一番効果的かを比較できます。

Lステップの大きな特徴は、インターネット上の集客だけでなく、実際の店舗やイベントでの集客も追跡できることです。

たとえば、お店のレジ横に置くPOP広告のQRコード、配布するチラシに印刷するQRコード、セミナーの受付で見せるQRコードなど、それぞれに違うQRコードを用意できます。

流入経路の活用例(業種別)

業種流入経路の使い分け例
飲食店・店頭ポスター
・テーブルPOP
・Instagram投稿
・Googleマップ
・食べログページ
美容室・ホットペッパービューティー
・店内ポスター
・スタイリストA〜Eさん個別
・Instagram広告
・LINE友だち追加広告
ECサイト・Google広告
・Facebook広告
・Instagram広告
・メルマガ内リンク
・商品同梱チラシ
セミナー事業・セミナーA受付
・セミナーB受付
・YouTube動画説明欄
・ブログ記事内リンク
・紹介者別コード

実際の活用例をいくつかご紹介しましょう。

アルバイト募集用のQRコードと、お客さん向けクーポン配布用のQRコードを分けることで、どちらの効果が高いかを測定している企業があります。

また、イベント会場の入場時にQRコードを読み取ってもらうことで、参加者への自動メッセージ送信と同時に来場確認もできる仕組みを作っている会社もあります。

さらに、複数のスタッフがいる場合、スタッフごとに専用のQRコードを作ることもできます。

たとえば営業スタッフA〜Eさんそれぞれに専用QRコードを持たせれば、誰が何人のお客さんを獲得したかがすぐにわかります。

これにより、成果の高いスタッフの営業方法を他のスタッフに共有することもできるでしょう。

Lステップで流入経路を設定する手順は3ステップで完了

Lステップでの流入経路設定は、思ったより簡単です。

大きく分けて3つのステップで完了します。

①Lステップの管理画面で流入経路に名前をつける、②その流入経路専用のQRコードまたはURLを作る、③実際に自分で試してみて正しく動くか確認する、という流れです。

パソコン操作に不慣れな方でも、手順通りに進めていけば迷わず設定できるように作られています。

流入経路設定の3ステップ

ステップやること所要時間の目安
① 名前の登録管理画面から流入経路に名前をつけ、自動アクションを設定する3〜5分
② QR/URL発行登録した流入経路専用のQRコードまたはURLを発行する1〜2分
③ 動作確認実際に自分で試して、正しく記録されるかテストする3〜5分

ただし、設定する前に知っておくべき重要なことがあります。

それは、流入経路作成時に設定する「アクションの実行(いつでも/初回友だち追加時のみ)」や「自動タグ付け・配信設定など」は、後から変更できないということです。

もし変更したい場合は、新しく流入経路を作り直す必要があり、そうするとQRコードやURLも新しいものになってしまいます

すでに広告やチラシに印刷してしまった場合は、全部刷り直しになってしまうので注意が必要です。

また、Lステップの流入経路を使うと、友だち登録する際に「この情報を使うことに同意しますか?」という確認画面が表示されます。

この画面が出ることで、登録をやめてしまう人が一定数いると言われています。

この離脱を減らすには、QRコードの近くに「確認画面が出たら『許可する』をタップしてください」といった案内文を添えておくと親切です。

管理画面から流入経路の名前を登録する

まず、Lステップの管理画面にログインします。

画面の左側にあるメニューから「流入経路分析」という項目を探してクリックしましょう。

次に「新しい流入経路」というボタンが見つかるので、それをクリックします。

すると、新しい流入経路を作るための入力画面が表示されます。

ここで最も重要なのが「名前の付け方」です。

後で見返したときにすぐわかるような名前にすることをおすすめします。

悪い例は「QRコード1」「QRコード2」といった番号だけの名前です。

これだと、半年後に見たときに、どこに置いたQRコードだったか思い出せません。

良い例は「店頭_レジ横ポスター_2024年12月」「Instagram_フォロワー限定投稿_クリスマスキャンペーン」「YouTube_商品紹介動画_概要欄リンク」といった具合に、場所・内容・時期がわかる名前です。

こうしておくと、3ヶ月後に「12月のクリスマスキャンペーンはどれくらい効果があったかな?」と振り返るときにも、すぐに該当するデータを見つけられます。

名前をつけたら、次は「この流入経路から登録した人に、自動的に何をするか」を設定できます。

たとえば「店頭チラシ」というタグを自動的につける、特定のメッセージを自動的に送る、画面下部のメニュー(リッチメニュー)を切り替える、といった設定が可能です。

ただし、すでに友だちになっている人には何もしたくない場合は、「既存の友だちには適用しない」という設定もできるので安心してください。

登録した流入経路専用のQRコードまたはURLを発行する

流入経路の名前と設定が終わったら、次はその流入経路専用のQRコードやURLを作ります。

Lステップの管理画面に「リンクを作る」または「QRコードを作る」というボタンがあるので、必要な方を選びましょう。

お店のチラシや店頭ポスターに使うならQRコード、ホームページやSNSの投稿に貼るならURLを選ぶのが一般的です。

QRコードとURLの使い分け例

使用場所形式の例特徴
店頭ポスター・POPQRコードスマホのカメラで簡単に読み取れる
チラシ・フライヤーQRコード紙媒体に印刷しやすい
ホームページURLクリック1回で登録画面に移動できる
SNS投稿(Instagram・Facebook)URLリンクとして貼り付けられる
メールマガジンURLメール内のリンクとして機能する
イベント受付QRコード大勢の人が素早く登録できる

作られるQRコードやURLは、見た目は普通ですが、流入経路ごとに異なる専用のリンクとして発行されます。

このため、Lステップは「このQRコードから登録された」「このURLから登録された」と正確に区別できるわけです。

たとえ同じLINE公式アカウントでも、Instagram用とFacebook用では別々のリンクが発行されるため、ちゃんと区別できます。

複数の流入経路を作る場合は、管理しやすいルールを決めておくことをおすすめします。

たとえば「web_広告の種類_年月」というパターンにすれば、「web_google_202412」「web_facebook_202412」「web_instagram_202412」といった形で統一できます。

こうしたルールがあると、後でデータを整理するときに便利です。

作ったQRコードやURLは、実際に広告やチラシ、ホームページなどに配置して初めて機能します。

QRコードならチラシに印刷する、店頭POPに掲載する、URLならSNSに投稿する、ホームページに貼り付ける、といった作業が必要です。

この配置場所も記録しておくと、後で確認するときに役立ちます。

テスト追加で流入経路が正しく記録されるか確認する

設定が終わったら、実際に使い始める前にテストすることをおすすめします。

自分のスマートフォンか、家族や友人のスマートフォンを使って、作ったQRコードを読み取ったり、URLをクリックしたりして、友だち登録をしてみます。

テストをしておくことで、設定ミスに気づかないまま広告費を無駄にしてしまうリスクを減らせます。

テストで友だち登録をしたら、Lステップの管理画面に戻って確認します。

チェックするポイントは3つです。

テストで確認すべき3つのポイント
  • ✓ 設定した流入経路名のところに、今登録したテストアカウントが記録されているか
  • ✓ 設定したタグ(目印)が正しくついているか
  • ✓ 設定した自動メッセージが送られてきたか

もしこれらが正しく動いていない場合は、設定のどこかが間違っている可能性があります。

よくある失敗例として、LINEとLステップの連携設定が正しくできていないケースがあります。

LINEログインという設定があるのですが、ここで違うアカウントを選んでしまっていると、うまく動きません。

設定画面を見直して、正しいLINE公式アカウントと連携されているか確認しましょう。

テストで問題がなければ、いよいよ本番です。

ただし、使い始めた後も、最初の数日間はこまめにデータを確認することをおすすめします。

特に大きなキャンペーンを始めた時や、新しい流入経路を追加した時は要注意です。

「思っていたより友だちが増えない」「設定したメッセージが送られていない」といった問題に早く気づけば、すぐに対処できます。

定期的に確認する習慣をつけることが、効果的な運用につながります。

流入経路データを分析して効果の高い集客方法に予算を集中させる

流入経路のデータを集めることがゴールではありません。

集めたデータを分析して、「じゃあ次はどうするか」という行動につなげることが本当の目的です。

データを見て「Instagram広告からの友だちが多いな」で終わってしまっては意味がありません。

Instagram広告は友だちは増えるけど、実際に商品を買ってくれる人は少ない。一方、店頭チラシは友だちは少ないけど、買ってくれる人の割合が高い。だから予算を店頭チラシに移そう

という判断までできて初めて、データが活きてきます。

データ分析で大切なのは、いきなり細かいところを見ないことです。

まずは全体像を把握してから、徐々に細部を見ていくという順番が効果的です。

たとえば、まず「今月は全体で何人友だちが増えたか」を見て、次に「そのうちInstagram、店頭、ホームページからそれぞれ何人ずつ増えたか」を見る、という具合です。

また、データを分析するだけでなく、その結果に基づいて改善策を考え、実行することが欠かせません。

せっかく「Instagram広告は効果が低い」とわかっても、何も対策をしなければ意味がありません。

「広告の画像を変えてみる」「ターゲット設定を変えてみる」「一旦広告を止めて別の方法に予算を使う」といった具体的なアクションまで考えることが重要です。

流入経路ごとの友だち追加数と増加傾向を確認する

まず確認すべきなのは、「それぞれの流入経路から何人の友だちが増えたか」という数字です。

Lステップの管理画面を開くと、流入経路ごとの友だち数が一覧で表示されます。

たとえば「Instagram広告:120人」「店頭チラシ:80人」「ホームページ:50人」といった感じで見ることができます。

ただし、今の数字だけを見るのではなく、時間の流れを追って見ることも大切です。

定期的にデータを記録することで、「先月と比べて今月はどうか」「キャンペーンを始める前と始めた後でどう変わったか」がわかります。

たとえば、11月は店頭チラシから月30人だったのに、12月は80人に増えた、という変化があれば、「12月のクリスマスキャンペーンのチラシは効果があった」と判断できます。

逆に減っている流入経路があれば、何か問題が起きているサインかもしれません。

友だち追加数の分析例

流入経路11月12月変化考察
Instagram広告100人120人+20人微増。広告費に見合っているか要検証
店頭チラシ30人80人+50人クリスマスキャンペーンが効果的だった
ホームページ60人50人-10人減少傾向。サイト改善が必要かも
YouTube動画20人45人+25人新しい動画の効果が出ている

ただし、ここで注意が必要です。

友だちの数が多いからといって、それが必ずしも良い結果とは限りません。

極端な例ですが、1000人友だちが増えても、誰も商品を買ってくれなければ意味がありませんよね。

逆に、10人しか友だちが増えなくても、そのうち9人が商品を買ってくれたら、これは非常に効果的な集客方法です。

だから、次に説明する「その人たちがどんな反応をしたか」「実際に商品を買ってくれたか」という情報と合わせて見ることが大切です。

流入経路別の開封率や反応率から費用対効果を比較する

友だちが増えた数だけでなく、「その友だちたちがどんな行動をしたか」を見ることも重要です。

ここでチェックすべき数字をいくつかご紹介しましょう。

重要な分析指標(KPI)一覧

指標名計算方法意味目安
友だち追加率友だち登録数 ÷ 流入数 × 100流入した人のうち、実際に登録完了した人の割合施策により大きく変動
メッセージ開封率メッセージを開いた人 ÷ 配信した人 × 100送ったメッセージを読んでくれる人の割合70〜80%程度
リンククリック率(CTOR)リンクをクリックした人 ÷ メッセージを開いた人 × 100開封者のうちリンクをクリックした人の割合配信内容により変動
購入率(CVR)商品を購入した人 ÷ 友だち登録数 × 100最終的に商品を買ってくれた人の割合業種により大きく異なる
顧客獲得単価(CPA)広告費 ÷ 購入者数1人のお客さんを獲得するのにかかった費用低いほど良い

まず「友だち追加率」です。

これは、QRコードを読み取った人やURLをクリックした人のうち、実際に友だち登録まで完了した人の割合です。

たとえば、広告を100人がクリックしたのに、友だち登録したのが10人だけなら、友だち追加率は10%です。

この数字が低い場合は、登録の手順が複雑すぎるか、広告を見て興味を持った人と、実際に友だち登録したい人がズレている可能性があります。

次に「メッセージの開封率」です。

友だち登録した人にメッセージを送ったとき、どれくらいの人がメッセージを開いてくれたかという数字です。

この数字が低い場合は、配信頻度が多すぎたり、内容が興味に合っていなかったりする可能性があります。

そして最も重要なのが「購入率」です。

友だち登録した人のうち、実際に商品を買ってくれた人の割合です。

たとえば、Instagram広告から100人の友だちが増えて、そのうち5人が商品を買ってくれたら購入率は5%です。

一方、店頭チラシから50人の友だちが増えて、そのうち20人が買ってくれたら購入率は40%です。

この例なら、明らかに店頭チラシの方が効果的ですよね。

広告を使っている場合は、「1人の友だちを獲得するのにいくらかかったか」「1人のお客さんを獲得するのにいくらかかったか」という費用も計算しましょう。

たとえば、月10万円使った広告で100人の友だちが増えたら、1人あたり1000円です。

そのうち10人が1万円の商品を買ってくれたら、売上は10万円で、広告費と同じです。

利益を出すには、もっと購入率を上げるか、広告費を下げる必要がありますね。

あまり多くの数字を追いかけすぎると、管理が大変になって続かなくなります。

まずは「友だち追加率」「メッセージ開封率」「購入率」の3つに絞って、毎週または毎月チェックする習慣をつけることをおすすめします。

効果の高い流入経路から来た友だちには専用メッセージを配信する

流入経路のデータを最も効果的に活用する方法は、「来た場所に応じて、送るメッセージを変える」ことです。

なぜなら、どこから来たかによって、その人の興味や状況が違うからです。

流入経路別のメッセージ例(化粧品販売の場合)

流入経路来た人の特徴送るべきメッセージの内容メッセージ例
Instagram広告(#スキンケア検索)まだブランドを知らない
情報収集中
ブランドの特徴
お客様の声
使い方ガイド
「はじめまして!私たちのブランドは○○が特徴です」
「お客様から○○という声をいただいています」
Google検索(「○○化粧品 購入」)すでにブランドを知っている
購入意欲が高い
お得情報
購入リンク
限定クーポン
「今なら初回20%オフ!」
「送料無料キャンペーン中」
店頭QRコードすでに来店済み
商品を実際に見た
次回来店クーポン
会員特典案内
新商品情報
「次回来店時に使える500円クーポンをプレゼント」
「会員様限定の新商品先行予約」
ホームページ商品に興味がある
まだ来店していない
店舗案内
アクセス情報
初回特典
「お店への行き方はこちら」
「初めてのお客様は10%オフ」

具体例で説明しましょう。

あなたが化粧品を販売しているとします。

Instagramで「#スキンケア」を検索していて広告を見た人は、まだあなたのブランドを知らないかもしれません。

そういう人には、まず「私たちのブランドはこんな特徴があります」「お客様からこんな声をいただいています」という情報を送って、信頼関係を築くことが大切です。

一方、Google検索で「○○化粧品 購入」と検索してきた人は、すでにあなたのブランドを知っていて、買う気がある状態です。

そういう人には、長い説明は不要で、「今なら初回20%オフ」「送料無料」といったお得情報をすぐに送った方が効果的です。

店舗ビジネスの例もあります。

お店のレジ横のQRコードから登録した人は、すでに一度お店に来てくれた人です。

そういう人には「次回来店時に使える500円クーポン」や「近隣店舗のイベント情報」を送ると喜ばれるでしょう。

一方、ホームページから登録した人は、まだお店に来たことがないかもしれません。

そういう人には「お店への行き方」「駐車場情報」「初めてのお客様向けキャンペーン」といった情報が役立ちます。

このように、同じ商品やサービスでも、相手の状況に合わせてメッセージの内容を変えることで、「このLINEは自分のことをわかってくれている」と感じてもらえ、ブロックされにくくなります

さらに、必要な情報が適切なタイミングで届くので、商品を買ってもらえる確率も高くなります。

最初は2〜3パターンから始めて、慣れてきたらもっと細かく分けていくのが良いでしょう。

よくある質問(FAQ)

流入経路は後から変更できますか?

流入経路作成時に設定する「友だち追加時のアクション(自動タグ付けやメッセージ配信などの設定)」は、後から変更できない仕組みになっています。

もし内容を変えたい場合は、新しく流入経路を作り直すことになります

そうすると、QRコードやURLも新しいものに変わってしまうため、すでにチラシに印刷してしまったり、ホームページに掲載してしまったりしている場合は、それらを全部新しいものに差し替える必要があります。

ですから、設定する前に、アクション内容をしっかり確認することをおすすめします。

流入経路を設定しないとどうなりますか?

Lステップの流入経路を設定しないと、友だち一人ひとりがどこから登録したかを個別管理できなくなります。

LINE公式アカウントでも経路別の集計は可能ですが、「どのInstagram投稿から来たか」「どのチラシから来たか」といった細かい区別や、経路に応じた自動タグ付け・メッセージの出し分けができません。

その結果、効果測定の精度が下がり、全員に同じメッセージを送ることになるため、反応率が下がる可能性もあります。

流入経路の数に上限はありますか?

Lステップの公式サイトには、流入経路を何個まで作れるという明確な上限の記載は確認できません(管理画面の仕様上、上限が存在する可能性はあります)。

ただし、実際の運用では、あまりに多く作りすぎると管理が大変になります。

たとえば、50個も100個も流入経路を作ってしまうと、どれがどれだかわからなくなって、結局使いこなせないという状況になりかねません。

まずは主要な集客方法に絞って5〜10個くらいから始めて、必要に応じて増やしていくのが現実的です。

複数の流入経路から同じ友だちが追加された場合はどうなりますか?

すでに友だちになっている人が、別の流入経路のリンクにアクセスした場合の動作は、流入経路作成時の「アクションの実行」設定によって変わります

「いつでも」を選択している場合は、既存の友だちでも設定したアクションが実行され、タグの追加などが可能です。

一方、「初回友だち追加時のみ」を選択している場合は、既存の友だちには何も実行されません。

状況に応じて設定を選ぶことができます。

流入経路データはいつまで保存されますか?

流入経路データがいつまで保存されるかについては、Lステップの公式サイトに明確な記載が確認できないため、長期間のデータ保管が必要な場合は、運営会社に直接問い合わせることをおすすめします。

重要なデータを定期的に保存しておきたい場合は、流入経路分析画面からCSVファイルとしてエクスポートできる機能が提供されていますので、これを活用すると安心です。

まとめ

Lステップの流入経路機能は、友だちがどこから登録してくれたのかを自動的に記録し、あなたの集客活動の効果を数字で見えるようにしてくれる便利な道具です。

普通のLINE公式アカウントではわからない細かい情報まで把握できるため、「どの集客方法に力を入れるべきか」「どの広告をやめるべきか」といった判断を、感覚ではなく数字に基づいて行えるようになります。

流入経路機能の主なメリット
  • どの集客方法が効果的かが数字でわかる
  • 無駄な広告費を削減できる
  • 来た場所に応じて最適なメッセージを送れる
  • オンライン・オフライン両方の集客を追跡できる

設定の手順は、①管理画面で流入経路に名前をつける、②専用のQRコードまたはURLを作る、③実際に試して正しく動くか確認する、という3ステップです。

ただし、一度設定すると後から変更できないので、名前や設定内容は慎重に決めましょう。

また、友だち登録時に確認画面が表示されることで、一定数は途中でやめてしまう可能性があることも理解しておく必要があります。

集めたデータは、友だちの数だけでなく、「その人たちがどんな反応をしたか」「実際に商品を買ってくれたか」という質の部分まで見ることが大切です。

そして、効果の高い集客方法に予算を集中させたり、来た場所に応じて送るメッセージを変えたりすることで、LINEマーケティングの成果を大きく高めることができます。

今日から始められる3つのアクション
  1. 自社の主要な集客方法をリストアップする(紙に書き出してみる)
  2. それぞれの集客方法に流入経路を設定する計画を立てる
  3. まずは2〜3個の流入経路から設定を始めてみる

まずは今日から、あなたが使っている主な集客方法を紙に書き出してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

「Instagram」「ホームページ」「店頭チラシ」といった形でリストアップして、それぞれに流入経路を設定する計画を立てましょう。

データを集め始めることで、今まで見えていなかった「本当に効果のある集客方法」が明らかになり、無駄な広告費を削減できる可能性が広がります。

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