SEO内部リンクの効果的な張り方と最適な構造を初心者向けに解説

SEO内部リンクの効果的な張り方と最適な構造を初心者向けに解説

「自社サイトのSEO対策を進めたいけれど、何から手をつければいいかわからない」「外部リンクの獲得は難しいが、自分でできる対策はないか」このような悩みを抱えていませんか。

実は、自社サイト内で完結できるSEO対策として、内部リンクの最適化が非常に効果的です。

SEO内部リンクの効果的な張り方
  • ピラミッド型のサイト構造を構築(トップページから主要ページへ浅い階層で到達できるよう設計)
  • アンカーテキストを最適化(リンク先が分かる説明的な文言、簡潔で自然な表現を使用)
  • 適切なリンク数を維持する(読者にとって価値あるリンクのみ厳選、質を重視した設置)
  • トピッククラスターで関連性を明示(ピラーページと詳細記事を双方向リンクで結ぶ)
  • 定期的なメンテナンスを実施(リンク切れチェック、孤立ページ確認、リダイレクト設定)

内部リンクとは、自社サイト内のページ同士をつなぐリンクのことです。

適切に設置することで、検索エンジンからの評価向上とユーザー体験の改善が期待できます。

この記事では、SEO内部リンクの基本から実践的な張り方、最適な構造設計まで、マーケティングの専門知識がない方でも理解できるよう丁寧に解説します。

この記事でわかること
  • 内部リンクとは何か、なぜSEOに重要なのか
  • 内部リンクが検索エンジンとユーザーに与える具体的な効果
  • SEOに効果的な内部リンク構造の設計方法
  • 実践で使える内部リンクの正しい張り方
  • 内部リンクが多すぎる場合の問題と改善方法
目次

SEO内部リンクとは何か【基本の理解】

内部リンクを効果的に使うには、まずその意味と役割を理解することが大切です。

内部リンクは単なるページ同士のつながりではありません。

ウェブサイト全体の評価を左右する重要な要素なのです。

多くの担当者は他社サイトからリンクをもらうこと(被リンク)に注力しがちです。

しかし内部リンクも、サイト構造の最適化において非常に重要な役割を果たします。

なぜなら、内部リンクは完全に自社でコントロールでき、費用をかけずに最適化できるからです。

Googleなどの検索エンジンは、内部リンクを見てサイトの構造を理解します。

そして各ページの重要度を判断するのです。

また、ユーザーにとっても適切な内部リンクは、目的の情報へたどり着くための道しるべとなります。

ここでは内部リンクの基本と、検索エンジンがこれを重視する理由、サイト評価への影響について説明します。

内部リンクの定義と外部リンクとの違い

内部リンクとは、同じドメイン内のページ同士を結ぶリンクのことです。

もう少し簡単に言うと、あなたの会社のウェブサイト内で、あるページから別のページへ移動するためのリンクすべてが内部リンクです。

例えば「会社概要」ページから「サービス紹介」ページへのリンクなどがこれにあたります。

これに対して外部リンクは、自社サイトと他社サイトの間のリンクを指します。

内部リンクの大きな特徴は、自社で完全にコントロールできる点です。

他社からリンクをもらうのは難しい場合でも、内部リンクなら今すぐ最適化できます。

内部リンクの2つのタイプ

タイプ特徴設置場所の例SEO効果
ナビゲーションリンクサイト全体の構造を示す固定リンクメニュー、フッター、サイドバー基本的な構造の理解
コンテキストリンク記事本文中に自然に埋め込まれるリンク記事本文内高い(関連性を強く示す)

検索エンジンは特にコンテキストリンクを重視します。

なぜなら、リンクの周りの文章から、リンク先の内容をより正確に理解できるからです。

検索エンジンが内部リンクを重視する理由

検索エンジンは、内部リンクをウェブサイトの構造を理解するための重要な手がかりとして使っています。

Googleの「クローラー」と呼ばれるロボットは、既に知っているページから内部リンクをたどって、新しいページを見つけ出します

つまり、適切な内部リンクがなければ、せっかく作成したページも検索エンジンに気づいてもらえない、または発見に時間がかかる可能性があります

Googleの公式資料では、検索エンジンがページ同士の関係を理解し、新しいページを見つけるためにリンクを使うことが説明されています。

内部リンクは、検索エンジンがサイト内をスムーズに巡回し、すべてのページを正しく登録するために必要不可欠です。

また、内部リンクの配置は、ウェブサイトの階層を検索エンジンに伝える役割もあります。

トップページから直接リンクされているページは、クロールされやすく、内部評価も伝わりやすい傾向があります。

逆に、何回もクリックしないとたどり着けない深い場所にあるページは、重要度が低いと見なされがちです。

実際、トップページから到達するまでのクリック数が少ないページほど、クロールされやすく、検索エンジンからの評価も得やすい傾向が複数の調査で示されています。

ページの深さはサイトによって多少主観的ですが、最もパフォーマンスの高いページの深さは5以下であることが多いようです。

引用:Botify Is Page Depth A Ranking Factor?

内部リンクがサイト評価に与える影響

内部リンクは、ページの重要性を示す信号として働きます。

これはGoogleの「PageRank(ページランク)」という仕組みに基づいています。

簡単に説明すると、あるページから別のページへリンクを張ると、リンク元ページが持つ「評価」の一部がリンク先ページに渡されるイメージです。

この評価の流れは専門用語で「リンクジュース」とも呼ばれます。

例えば、あなたのサイトに多くの人気がある記事があるとします。

この記事から関連する他のページへ内部リンクを張ることで、その人気の一部を他のページにも分け与えることができます。

特にビジネス上重要なページ、例えばサービス紹介ページやお問い合わせページなどへ戦略的にリンクを集めることで、これらのページの検索順位が上がる可能性が高まります。

ただし注意点があります。

1つのページにあまりにも多くのリンクを設置すると、ユーザー体験が損なわれ、重要なリンクのシグナルが弱まる可能性があります。

Googleは以前、1ページあたり100本未満のリンクを推奨していました。

現在は「合理的な数」という表現に変わりましたが、読者が使いやすい範囲で、適切なリンク数に抑えることが大切です。

内部リンクがSEOに与える3つの主な効果

内部リンクを戦略的に使うことで、SEOの面で具体的にどんな良い効果があるのでしょうか。

内部リンクの重要性は理解していても、その具体的なメリットがわからないと、効果的な対策は打てません。

実は、内部リンクは検索エンジン最適化において色々な面から効果を発揮します。

検索エンジンのロボットの動きを助け、サイト内の評価を適切に分け与え、さらには読者の行動にも良い影響を与えるのです。

これらの効果は互いに関連していて、適切に実施することでサイト全体のSEO成績が向上します。

ここでは、検索エンジン最適化における内部リンクの3つの主な効果について詳しく説明します。

それぞれの効果を理解することで、より効果的な内部リンク対策を立てられるようになります。

内部リンクの3つの主な効果
  1. クローラーの巡回効率向上 → 新しいページの発見とインデックス登録が早まる
  2. ページ評価の適切な分配 → 重要なページの検索順位が上がる可能性が高まる
  3. ユーザーの回遊性向上 → サイト滞在時間が延び、満足度が上がる

クローラーの巡回効率が上がりインデックスが促進される

検索エンジンの「クローラー」と呼ばれるロボットは、ウェブ上のページを見つけて、その内容を検索エンジンのデータベースに登録するために常に働いています。

このロボットがサイト内を効率よく巡回できるかどうかは、内部リンクの配置に大きく左右されます。

Googleは「クロールバジェット」という考え方を使って、各ウェブサイトに対するクローリングのリソース(資源)を管理しています。

クロールバジェットとは、Googlebotが特定のサイトで見て回れる量のことです。

適切な内部リンク構造を持つサイトでは、ロボットが重要なページに効率よくアクセスでき、限られた資源を無駄なく使えます。

新しいページを公開したとき、そのページが他のページからリンクされていない状態だと、ロボットがそのページを見つけるまでに時間がかかります。

逆に、既に人気のあるページや頻繁に更新されるページから内部リンクを張ることで、新しいページの発見と登録を早めることができます

適切に内部リンクされたページは検索エンジンに発見されやすくなりますが、インデックス登録には数日から場合によってはそれ以上かかることもあり、速度の保証はありません。

Search ConsoleのURL検査ツールやXMLサイトマップの活用も有効です。

ページ評価を重要なコンテンツに適切に分配できる

内部リンクは、サイト内のページ評価を戦略的に分け与えるための重要な道具です。

先ほど説明したPageRankの仕組みを使って、リンクを通じて評価を流すことで、特に強化したいページの検索順位向上を目指せます。

例えばこんな状況を想像してください。

あなたのサイトに、他の多くのサイトからリンクをもらっている人気記事があります。

この記事から関連する他のページへ内部リンクを張ることで、その人気の一部を他のページにも分け与えられます。

特にビジネス上重要なページ、例えばサービス紹介ページやお問い合わせページなどへ計画的にリンクを集めることで、これらのページの検索エンジンでの評価向上が期待できます。

ただし、サイト全体での内部リンクの配り方には注意が必要です。

あまりにも多くのページへリンクを張りすぎると、各リンクが持つ評価を伝える力が弱まってしまいます。

そのため、本当に重要なページへのリンクを優先し、関連性の高いページ同士を結ぶことが効果的です。

ユーザーの回遊性が高まり滞在時間が延びる

内部リンクの効果は、検索エンジンだけでなく読者の体験向上にも及びます。

適切に配置された内部リンクは、読者が求める情報へスムーズに移動できる道を提供し、サイト内での回遊を促します。

読者が1つの記事を読んだ後、関連する別の記事へ自然に案内できれば、サイト全体で過ごす時間が延び、見るページ数も増えます。

読者がサイト内で多くの時間を過ごし、たくさんのページを見ることは、コンテンツの質を高める上で重要な指標となります。

また、記事の本文中に適切なタイミングで内部リンクを配置することで、読者の理解を深めることもできます。

例えば、難しい専門用語が出てきたときにその用語の詳しい説明ページへリンクを張る、あるいは関連する事例紹介ページへ案内するなど、内容の価値を高める使い方ができます。

これにより、読者の満足度が上がり、サイトへの信頼感も育ちます。

SEOに効果的な内部リンク構造の設計方法

効果的な内部リンク対策を実現するには、個々のリンクを張る前に、サイト全体の構造設計が重要です。

建物を建てるときに設計図が必要なように、ウェブサイトも全体像を描いてから具体的な作業に取り組むことで、より良い結果が得られます。

適切な階層構造を持ち、読者と検索エンジンの両方にとってわかりやすいサイトを作ることで、SEO効果を最大限に引き出せます。

構造設計の段階で正しい方向性を決めておけば、その後の内部リンク作業もスムーズに進められます。

また、サイトが成長してページ数が増えていく中でも、一貫性のある構造を保ちやすくなります。

ここでは、実際に使える内部リンク構造の設計方法について、具体例を交えながら説明します。

これらの原則を理解して使うことで、検索エンジンに評価されやすく、かつ読者にとって使いやすいサイト構造を実現できます。

ピラミッド型構造が検索エンジンに評価されやすい理由

ウェブサイトの理想的な構造は、ピラミッド型または階層型と呼ばれる形です。

この構造では、トップページを一番上として、カテゴリーページ、サブカテゴリーページ、個別の記事ページと、上から下へ順番に整理されます。

ピラミッド型構造が効果的な理由は、情報の重要度が見た目でも理屈でもわかりやすくなるからです。

検索エンジンは、トップページに近い場所にあるページほど重要だと判断する傾向があります。

また、読者にとっても、どのカテゴリーに何の情報があるのかがわかりやすく、目的の情報へスムーズにたどり着けます。

ピラミッド型構造の例

【第1階層】トップページ
    ↓
【第2階層】カテゴリーページ(例:家電、衣類、食品)
    ↓
【第3階層】サブカテゴリーページ(例:テレビ、冷蔵庫、洗濯機)
    ↓
【第4階層】個別商品ページ

この構造を作るには、まずサイト全体の内容を大きなテーマごとに分けます。

そして、それぞれに対応するカテゴリーページを作ります。

例えば商品を扱うサイトなら「家電」「衣類」「食品」といった大分類を作るイメージです。

次に各カテゴリーの下に、より具体的なトピックを扱う個別ページを配置します。

各階層の間を適切な内部リンクでつなぐことで、検索エンジンのロボットが効率よくサイト全体を見て回れるようになります。

トップページから重要ページへの導線を短く保つ

ウェブサイトを設計する際の重要な原則の一つが、トップページから任意のページまでのクリック回数、つまり「リンク深度」を浅く保つことです。

実務ではトップページから3回以内のクリックで主要ページにアクセスできる構造が目安とされていますが、これはデータで支持されていない非公式の目安です。

3クリックルールの大きな問題は、これまで発表されたどの研究においてもデータによる裏付けが得られていないことです。

引用:Nielsen Norman Group The 3-Click Rule for Navigation Is False

クリック数そのものより重要なのは、わかりやすいラベルと明確な導線を設計することです。

ただし、トップページからの距離が近いページほど、検索エンジンのクローラーに発見されやすく、内部評価も伝わりやすい傾向データで示されています。

クリック回数が少ないことの利点は主に2つあります。

まず、読者が目的のページに素早くたどり着け、ストレスの少ない体験を提供できます。

次に、検索エンジンのロボットも効率よくページを見つけられ、深い場所にあるページが見落とされるリスクが減ります。

リンク深度による違い

クリック回数SEOへの影響ユーザー体験推奨度
1〜2クリック評価・クロールされやすい非常に良い◎ 最適
3クリック標準的良い○ 許容範囲
4クリック以上発見されにくい傾向悪い(離脱リスク高)△ 改善推奨

具体的な方法としては、トップページに主要カテゴリーへのリンクを配置します。

そして各カテゴリーページからは、重要な記事やサービスページへの直接リンクを設置します。

また、「関連記事」セクションやサイドバーのメニューを活用して、深い場所のページへも複数の道筋を確保することが効果的です。

関連コンテンツをグループ化するトピッククラスターの作り方

最近のSEO対策で注目されているのが、「トピッククラスター」と呼ばれる手法です。

これは、1つの大きなテーマを扱う「ピラーページ」を中心に、そのテーマに関連する複数の詳細記事を配置し、お互いにリンクで結ぶことで、主題の関連性を明示する方法です。

トピッククラスターの基本的な作り方は、まず特定のテーマについて網羅的に説明するピラーページを作ることから始まります。

例えば「コンテンツマーケティング」というテーマなら、その全体像を説明する長めのページがピラーページとなります。

次に、そのテーマの各部分をより詳しく説明する個別記事(クラスター記事)を複数作成します。

「コンテンツマーケティングの戦略の立て方」「効果の測り方」「成功事例」など、具体的な小テーマごとに記事を用意します。

トピッククラスターの構造

          【ピラーページ】
   コンテンツマーケティング完全ガイド
               ↕
    ┌──────────┼─────────┬─────────┐
    ↕          ↕         ↕         ↕
【記事1】   【記事2】   【記事3】  【記事4】
戦略立案    効果測定    ツール選び  成功事例

大切なのは、ピラーページから各クラスター記事へリンクを張り、同時に各クラスター記事からもピラーページへ戻るリンクを設置することです。

この両方向のリンク構造により、検索エンジンはこれらのページが互いに関連していることを理解しやすくなり、特定のテーマにおける専門性を示すことができます。

また、読者にとっても関連情報へ簡単にアクセスできる便利な構造となります。

パンくずリストで階層構造を明確にする

パンくずリストは、読者が今サイトのどこにいるかを示すナビゲーションです。

通常はページ上部に「ホーム > カテゴリー > サブカテゴリー > 今見ているページ」のように表示されます。

これは使いやすさの向上だけでなく、SEOの面でも重要な役割を果たします。

パンくずリストの主な利点は、サイトの階層構造をはっきり示せることです。

これにより、検索エンジンはページ同士の関係をより正確に理解できます。

また、パンくずリスト内のリンクは、自然な形で内部リンクを増やす効果もあります。

Googleは「BreadcrumbList」という特別な記述方法の使用を推奨しています。

この記述を実装することで、検索結果にパンくずリストが表示される可能性が高まります。※2025年10月更新時点で、パンくずリストはデスクトップ検索結果で提供されています。

そうすると読者にとって、クリックする前にページの位置づけがわかりやすくなります。

パンくずリストを導入する際は、すべてのページに同じように設置し、リンクの文字には明確でわかりやすい言葉を使うことが大切です。

内部リンクの正しい張り方7つの実践ポイント

内部リンクの構造設計ができたら、次は個々のリンクをどのように設置するかが重要になります。

サイト全体の設計図が完成しても、実際のリンクの張り方が適切でなければ、その効果は半分になってしまいます。

効果的な内部リンクには、単にリンクを張るだけでなく、リンクに使う文字の選び方、配置する場所、リンク先の選び方など、いくつかの実践的なポイントがあります。

これらのポイントを押さえることで、検索エンジンにも読者にも評価される質の高い内部リンクを実現できます。

また、正しい方法を知ることで、よくある失敗を避けることもできます。

ここでは、今日からすぐに実践できる7つの具体的な方法を紹介します。

それぞれのポイントは独立しているようで実は互いに関連していて、全部まとめて実施することでより大きな効果を発揮します。

内部リンクの7つの実践ポイント一覧
  1. アンカーテキストに適切なキーワードを自然に含める
  2. 関連性の高いページ同士をつないで情報の連続性を作る
  3. 深い階層のページには複数の導線を確保する
  4. 本文中の自然な文脈でリンクを設置する
  5. 画像リンクには必ずalt属性で説明を加える
  6. リンクの数は1ページあたり適切な範囲に抑える
  7. 定期的にリンク切れをチェックして修正する

アンカーテキストに適切なキーワードを自然に含める

アンカーテキストとは、リンクが設定されている部分の、読者が実際にクリックできる文字のことです。

この文字の選び方は、SEO効果を大きく左右する重要な要素です。

Googleの公式ガイドでは、アンカーテキストは説明的で、短く、リンク先ページの内容に関連があるべきだと書かれています。

例えば、コンテンツマーケティングの戦略について説明するページへリンクする場合、「こちらをクリック」や「詳しくはこちら」といった一般的な表現ではなく、「コンテンツマーケティング戦略の立て方」のように、リンク先の内容がはっきりわかる言葉を使います

アンカーテキストの良い例・悪い例

評価アンカーテキスト例理由
◎ 良い「コンテンツマーケティング戦略の立て方」リンク先の内容が明確でキーワードも自然
○ 普通「マーケティング戦略について」やや抽象的だが内容は推測できる
× 悪い「こちらをクリック」リンク先の内容が全くわからない
× 悪い「SEO対策 内部リンク 最適化 方法 効果」キーワードの詰め込みすぎで不自然

アンカーテキストにキーワードを含めることは効果的ですが、不自然にキーワードを詰め込むのは避けるべきです。

検索エンジンはアンカーテキストと周りの文章の両方を評価するため、自然な文章の流れの中でキーワードを使うことが大切です。

多くの大学や専門家は、アンカーテキストを5語以内に収め、関連性の高い具体的な表現を使うことを勧めています。

関連性の高いページ同士をつないで情報の連続性を作る

効果的な内部リンクは、単なるページ同士の接続ではありません。

読者の学習や理解を助ける情報の流れを作り出すものです。

関連性の高いページ同士をリンクすることで、読者は自然に次の情報へ進むことができ、サイト全体での満足度が上がります。

内部リンクを設置するときは、常に「このリンクは読者にとって本当に価値があるか」と自分に問いかけてください。

例えば、SEOの基礎について説明する記事なら、より詳しいキーワード選びの方法を説明するページや、具体的な記事の書き方のヒントを紹介するページへのリンクは関連性が高いといえます。

逆に、関係ないページへのリンクを無理に詰め込むことは、読者を混乱させるだけでなく、検索エンジンからの評価も下がる可能性があります。

検索エンジンは、アンカーテキストとリンク先ページの内容、そしてリンクが置かれているページの文脈を総合的に評価します。

そのため、意味的に関連性の高いページ同士を結ぶことが、SEO効果を最大限に引き出すための鍵となります。

深い階層のページには複数の導線を確保する

サイトの深い場所にあるページは、トップページから遠いため検索エンジンに見つけられにくく、読者もたどり着きにくい傾向があります。

これらのページを孤立させないためには、複数の違うページから内部リンクを張ることが効果的です。

例えば、特定の商品の詳細ページがサイトの深い場所にある場合を考えてみましょう。

その商品が属するカテゴリーページからのリンクだけでなく、関連する他の商品ページからの「関連商品」リンクや、ブログ記事からの紹介リンクなど、複数の道筋を作ります。

これにより、読者も検索エンジンも、色々なルートからそのページへアクセスできるようになります。

複数の導線確保の例
  • カテゴリーページから:基本的な導線(必須)
  • 関連商品ページから:「この商品を見た人はこちらも見ています」
  • ブログ記事から:商品を紹介する記事内でのリンク
  • 特集ページから:季節の特集やキャンペーンページからのリンク

内部リンクを持たないページは「孤立ページ」または「オーファンページ」と呼ばれます。

検索エンジンのロボットがこうしたページを見つけられない可能性が高くなります。

すべてのページが少なくとも1つ以上、できれば複数の内部リンクを受けている状態を保つことが、サイト全体のSEO成績を上げるために重要です。

本文中の自然な文脈でリンクを設置すると効果的

内部リンクには、メニューなどのナビゲーションリンクと、記事本文中に埋め込まれるコンテキストリンクの2種類があります。

SEO効果という面では、記事本文中に自然に埋め込まれるコンテキストリンクは、周辺の文脈と説明的なアンカーテキストにより、検索エンジンがリンク先ページの内容を理解しやすくなります

本文リンクとナビゲーションリンクの重み付けについてGoogleは明示していませんが、文脈を伴うリンクは関連性をより明確に示すことができます。

記事の流れの中で自然に触れられる関連トピックへのリンクは、文脈を含めてその関連性を検索エンジンに伝える手がかりとなります。

Googleが既知のページから新しいページへのリンクを抽出したときに検出されるページもあります。

引用:Google Search Central In-depth guide to how Google Search works

また、読者にとっても、読んでいる内容と直接関係する追加情報へすぐにアクセスできるため、便利です。

ただし、本文中にリンクを設置する際は、文章の流れを邪魔しないよう注意が必要です。

リンクを張るために不自然な文章を入れたり、キーワードを無理に繰り返したりすることは避けましょう。

あくまで読者にとって自然で、追加情報として価値のあるリンクを適切なタイミングで提供することを心がけてください。

画像リンクには必ずalt属性で説明を加える

画像をクリックできるリンクとして使う場合、画像の代替テキスト(alt属性)が非常に重要になります。

文字のリンクと違い、画像リンクでは見た目の要素しか表示されないため、検索エンジンはalt属性を読み取ってリンク先の内容を理解します。

画像をリンクとして使う場合、画像のalt属性がアンカーテキストと同様の役割を果たすとされています。

そのため、alt属性には「画像」「写真」といった一般的な説明ではなく、リンク先ページの内容を具体的に説明する言葉を書くことが勧められます

例えば、商品購入ページへリンクする画像なら、「購入する」だけでなく「〇〇商品をカートに追加」のように具体的に書きます。

これにより、目の見えないユーザーが画面読み上げソフトを使う際にも、リンクの目的がはっきり伝わり、誰もが使いやすいサイトになります。

検索エンジンにとってもリンク先の内容が明確になるため、SEO効果も高まります。

リンクの数は1ページあたり適切な範囲に抑える

1つのページに設置する内部リンクの数については、色々な意見がありますが、基本的な原則は「読者にとって価値があり、多すぎない数」を保つことです。

Googleは以前1ページあたり100本未満のリンクを推奨していましたが、現在は「合理的な数(reasonable number)」という基準に変更され、固定の上限値は公表されていません。

Google は 100 個のリンク制限はなくなったと述べていますが、制限があるかどうかについては実際に言及していません。

引用:Search Engine Roundtable There Is No Limit To The Number Of Links Per Page For Google

技術的には「数千本程度まで」クロール可能とされますが、実際にはユーザー体験と内容の長さに応じた適切な数を保つことが重要です。

一般的なブログ記事では、1000文字あたり3〜5本の内部リンクが運用上の目安とされています。

リンクが多すぎると、各リンクが持つSEO効果が薄まるだけでなく、読者にとっても情報が多すぎてどのリンクが重要かわかりにくくなります。

また、あまりにも多くのリンクはスパムと見なされる危険もあります。

逆にリンクが少なすぎると、読者が関連情報を見つけにくくなり、サイト内での回遊が促されません。

内容の質を保ちながら、本当に価値のあるリンクを厳選して設置することが大切です。

定期的にリンク切れをチェックして修正する

内部リンクの効果を保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。

特に注意すべきなのがリンク切れ、つまり存在しないページや移動していないページへのリンクです。

リンク切れがあると、読者がクリックした際に「404エラー」と呼ばれるエラーページが表示されます。

これはサイトへの信頼を損なう原因となります。

また、検索エンジンのロボットもリンク切れに遭遇すると、そこで巡回を止めてしまうため、他のページの発見が遅れる可能性があります

さらに、リンク切れは貴重な検索エンジンの資源を無駄に使うことにもなります。

リンク切れチェックの方法
  • Google Search Consoleの「カバレッジ」レポートを確認
  • 専用ツール(Screaming Frog、Ahrefsなど)を使用
  • 定期的な手動チェック(月1回程度)
  • URLを変更した際は必ず301リダイレクトを設定

リンク切れのチェックには、Google Search Consoleなどの無料ツールが使えます。

ページのURLを変更する場合は、必ず適切な「301リダイレクト」と呼ばれる転送設定をして、既存の内部リンクも新しいURLへ更新することが勧められています。

定期的にサイトを点検し、リンク切れを早めに見つけて直すことで、読者の体験とSEO成績の両方を保てます。

内部リンクが多すぎる場合のSEOへの影響と改善策

内部リンクは効果的なSEO対策ですが、「多ければ多いほど良い」というわけではありません。

適切な数を超えた過剰な内部リンクは、期待した効果が得られないどころか、逆にSEO効果を損なったり、読者の体験を悪くしたりする可能性があります。

実際、多くのウェブサイトが「とりあえずリンクを増やす」という間違ったやり方を取り、結果として成果が出ないというケースが見られます。

検索エンジンは単にリンクの数を評価するのではなく、その質と関連性を重視します。

また、ページが青いリンクだらけになると、読者はどこをクリックすべきか迷い、サイトを離れてしまうこともあります。

ここでは、適切なリンク数の考え方と、多すぎる場合の具体的な問題点、そして効果的な改善方法について説明します。

これらを理解することで、量よりも質を重視した計画的な内部リンク対策を実現できます。

1ページあたりの内部リンク数は何本が適切か

内部リンクの適切な数は、ページの目的、内容の長さ、そして読者のニーズによって変わります。

一律の「正解」はありませんが、いくつかの目安となる考え方があります。

通常のブログ記事や情報提供ページの場合、1000文字あたり3〜5本の内部リンクが一般的な目安とされています。

2000文字程度の長い記事なら、5〜10本程度が適切な範囲です。

ただし、これはあくまで目安で、内容の性質によって調整が必要です。

コンテンツタイプ別の適切なリンク数

コンテンツタイプ文字数の目安推奨リンク数備考
通常のブログ記事1000〜2000文字3〜10本本文中のコンテキストリンク
長文記事3000文字以上10〜15本関連性を重視
リソースページ制限なし50本以上も可ページの目的による
商品ページ500〜1000文字3〜5本関連商品への導線
トップページ20〜30本主要カテゴリーへの導線

一方、たくさんのリンクを含むことが本来の目的であるページも存在します。

例えばリソースページやディレクトリページなどです。

このようなページでは、50本以上のリンクを含むことも珍しくありません。

大切なのは、各リンクが読者にとって意味があり、ページの目的に合っているかどうかです。

現在のGoogleのガイドでは、1ページあたり「数千本」までのリンクが技術的には可能とされています。

しかし、SEOの専門家の多くは、読者の体験とSEO効果のバランスを考えて、多くても150〜200本程度に抑えることを勧めています

リンクが多すぎると評価が分散しSEOに悪影響が出る

1つのページに過剰な数の内部リンクを設置すると、いくつかの問題が起きる可能性があります。

最も大きな問題は、リンクジュース(ページの評価)の分散です。

PageRankの仕組みでは、あるページが持つ評価は、そのページから出ているすべてのリンクに分け与えられます。

つまり、リンクの数が多ければ多いほど、各リンクを通じて流れる評価は少なくなります

100本のリンクがあるページでは、各リンクが運ぶ評価は、10本のリンクしかないページと比べて約10分の1になります。

過剰なリンクによる3つの主な問題
  1. 評価の分散
    • リンク数が多いほど、各リンクの評価伝達力が弱まる
    • 重要なページへの評価が十分に届かない
  2. ユーザー体験の悪化
    • ページが青いリンクだらけで読みにくい
    • どのリンクが重要か判断できない(決断疲れ)
    • サイト離脱率の上昇
  3. スパムのリスク
    • 検索エンジンからスパムと見なされる可能性
    • 特に関連性の低いリンクや不自然なアンカーテキストは危険

また、過剰なリンクは読者の体験にも悪い影響を与えます。

ページ全体が青いリンク文字だらけになると、読みにくくなり、どのリンクが本当に大切かが判断しにくくなります。

これは「決断疲れ」を起こし、結果として読者がサイトを離れる原因となります。

ただし、リンクの数だけで判断されるわけではなく、検索エンジンは多要素で評価します。

関連性の高いページへの自然なリンクを心がけることが大切です。

過剰な内部リンクを整理する具体的な手順

サイト内に多すぎる内部リンクがあると気づいた場合、計画的に整理することでSEO成績を改善できます。

まず最初のステップは、現状の把握です。

Google Search Consoleの「リンク」レポートを使うと、サイト内で最も多くの内部リンクを持つページを確認できます。

また、専門的なSEOツールを使えば、各ページの内部リンク数や、リンク切れの有無などを詳しく分析できます。

内部リンク整理の4ステップ

ステップ1:現状把握

  • Google Search Consoleで内部リンク数を確認
  • ページごとのリンク数をリスト化
  • リンク切れの有無をチェック

ステップ2:リンクの評価

  • 各リンクの価値を判断(読者にとって本当に必要か)
  • リンク先との関連性を確認
  • アンカーテキストの適切性をチェック

ステップ3:優先順位付け

  • 重要なリンク:そのまま維持
  • 価値の低いリンク:削除候補
  • 自動生成リンク:表示数の制限を検討

ステップ4:段階的な実施

  • 一度に大量の変更をしない
  • 変更後はSEO成績を監視
  • 問題があれば速やかに対応

次に、各ページのリンクを評価します。

そのリンクは本当に読者にとって価値があるか、リンク先とリンク元のページに意味的な関連性があるか、リンクの文字は適切かなどを確認します。

価値の低いリンクや関連性の薄いリンクは削除の候補となります。

特に注意すべきは、自動で作られるリンクです。

例えば、サイドバーやページ下部に配置された大量のリンク、関連記事セクションで無差別に表示されるリンクなどです。

これらは便利な機能ですが、すべてのページに同じリンクが大量に表示されると、各リンクの価値が薄まります。

表示するリンクの数を制限したり、本当に関連性の高いページだけを表示するように調整したりすることが効果的です。

優先度の低いリンクの見極め方と削減方法

すべてのリンクが同じ重要度を持つわけではありません。

効果的な内部リンク戦略では、重要なリンクに評価を集中させ、優先度の低いリンクは減らしたり調整したりすることが必要です。

優先度の低いリンクの種類
  • 法的必須ページへのリンク
    • プライバシーポリシー、利用規約、特定商取引法表記など
    • 必要だがSEO的に重要ではない
    • 対策:フッターに配置
  • 重複コンテンツへのリンク
    • 同じ内容を異なるURLで表示するページ
    • 対策:canonicalタグで正規URLを指定
  • 低価値のフィルターページ
    • 色違い、サイズ違いなど無数のバリエーション
    • 対策:noindexタグの使用、またはcanonicalで正規URLを指定
  • 古い日付のアーカイブページ
    • 過去の月別アーカイブなど
    • 対策:noindexタグの使用、または内部リンクを削除

優先度の低いリンクを見極めるポイントとして、まず法律的に必要なページ(プライバシーポリシー、利用規約など)へのリンクが挙げられます。

これらのページは必要不可欠ですが、SEO的に重要なページではありません。

ページ下部などに配置することで、サイト構造を整理できます。

また、重複した内容へのリンクや、違う並べ方で表示される同じ内容のページへのリンクなども優先度は低いといえます。

Googleの公式ガイドでは、このような価値の低いページに対しては、noindexタグでインデックスを防ぐか、canonicalタグで正規URLを指定することが推奨されています。

リンクを減らす際は、一度に大きな変更を加えるのではなく、段階的に調整し、その都度SEO成績への影響を見守ることが大切です。

Google Search Consoleやアクセス解析ツールで訪問者数の変化を注意深く観察し、問題があれば素早く対応できる体制を整えましょう。

よくある質問

内部リンクと外部リンクはどちらがSEOに重要ですか?

どちらも重要で、役割が異なります。

外部リンクは他サイトからの信頼・権威を示す強い指標としてドメイン全体の評価に影響します。

一方、内部リンクは自社でコントロール可能な要素で、サイト内の情報設計とページ評価の伝達において重要な役割を果たします。

両者は補完関係にあり、どちらか一方が優れているわけではなく、それぞれの特性を活かした対策が必要です。

すべてのページに内部リンクを張る必要がありますか?

はい、理想的にはすべてのページが少なくとも1つ以上の内部リンクを受けている状態が望ましいです。

内部リンクを持たないページ(孤立ページ)は、検索エンジンのロボットが見つけにくく、登録されない可能性があります。

ただし、重要度の高いページほど多くの内部リンクを集中させる計画的な配分が効果的です。

同じページへ複数の内部リンクを張っても問題ありませんか?

技術的には問題ありませんが、1つのページから同じリンク先へ何度もリンクを張ることは、通常あまり勧められません。

Googleは同一ページ内の複数のリンクを考慮し、ユーザーにとって最も関連性の高いアンカーテキストを理解しようとします。

歴史的には「最初のリンクを優先」という観測もありましたが、現在は位置や文脈なども総合的に評価されます。

まとめ

内部リンクは、自社で完全にコントロールできる効果的なSEO対策です。

適切な内部リンク戦略を実施することで、検索エンジンの巡回しやすさの向上、ページ評価の最適な配分、そして読者体験の改善が期待できます。

重要なポイントのまとめ
  • 基本理解:内部リンクはサイト構造を示し、評価を分配する重要な要素
  • 構造設計:ピラミッド型構造で、トップから2〜3クリック以内に主要ページを配置
  • 実践方法:説明的なアンカーテキスト、関連性の高いページ同士を自然な文脈で結ぶ
  • 適切な数量:1000文字あたり3〜5本が目安、質を重視する
  • 継続的改善:定期的なリンク切れチェックと最適化

今すぐ始められる行動として、まず自社サイトの現状を把握しましょう。

Google Search Consoleで内部リンクの状況を確認し、孤立しているページがないか、リンク切れはないかをチェックしてください。

そして、重要なページへの内部リンクを増やし、関連性の高い内容同士を結ぶことから始めてみましょう。

小さな改善の積み重ねが、やがて大きなSEO効果につながります。

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